浅田真央「何も悔いはないです」引退会見で“すべて”を語る

2017/04/12 16:05 配信

芸能一般 会見

浅田真央がフィギュアスケート人生を語る撮影=神保達也


――まずは、お疲れさまでした。2日前、ブログで引退を発表されて、あらためて今、どんな心境?

本当に、この場に入ってきたときに、これだけのたくさんの方がいらしてくださっていたので、私自身ちょっとびっくりしたんですけど、今はちょっと落ち着いています。

――引退発表後、掛けられた言葉で印象に残ったのは?

発表してからは本当にたくさんの方が連絡をくださったんですけど、皆さん本当に「お疲れさま」という言葉をかけてくださったので、私自身も「ああ、選手生活が終わるんだな」という気持ちになりました。

――親しい人への報告はどのような形で伝えた?

少し前ですが、家族や友達に報告しました。みんな「お疲れさま、よく頑張ったね」と言ってくれました。

――引退はどのくらい前から考えていた?

私は、復帰してからいい形でスタートできたんですけど、それから試合に出るにつれて、今のスケート界はすごいので、私自身も付いていけるのかなという思いが強くなったり、あとは気持ちだったり体の部分で、復帰以前よりも少しつらい部分が多くなりました。

何とか1シーズン目は乗り切れたんですけど、2シーズン目からは何とか頑張ろうという思いだけでやってきました。でも最後の全日本選手権で、もういいんじゃないかなというふうに思いました。

――全日本選手権から3カ月近くたち、今の思いは?

自分が復帰してからずっと掲げてきた、平昌五輪に出るっていう目標があったので、私自身、言ってしまったこと、目標をやりとげなきゃいけないと思っていたので、その、自分の言ってしまったこととの葛藤はずっとありました。

――具体的にはいつ頃決断した?

全日本選手権が終わって、すべて結果が出たときに「ああ、もう終わったんだな」っていうふうには思いました。でも、日がたつにつれて自分が言ってしまったことというのは最後までやり通してきたので、やらなきゃいけないんじゃないかなという思いの方が強くて、ここまで延びてしまいました。

――平昌五輪への思いを上回る達成感があったということ?

そうですね、私はソチ五輪が終わってから最高の形で終えることができたんですけど、やはり自分の体もまだまだできますし、気持ちもまだやれるという思いがあったので復帰しました。でも、自分が実際挑戦してみて、もう気持ちも体も気力も全部出し切ったので、今は何も悔いはないです。

――最後の大会になった全日本でトリプルアクセルに挑んだ。その時の気持ちを振り返って。

最後になるのかなっていう気持ちはソチ五輪後の世界選手権ほどではなかったですけど、最後トリプルアクセルに挑戦して終えられたことは、自分らしかったかなというふうには思います。

――現役生活を振り返って。初めてスケート靴を履いた時の記憶は?

私は覚えていないんですけど…5歳だったので。でも、ヘルメットをかぶって、スキーウエアを着て、肘あてヒザあてをしてたのは写真に残っているので覚えています。

―それから21年、スケートをやっていて一番楽しかったことは。

やはり小っちゃい頃に、フィギュアスケートにはいくつも技があるんですけど、技ができるようになったときは本当に楽しい気持ちで、じゃあ2回転飛びたい、3回転飛びたいという、そういう思いがすごく楽しかったですね。

――逆に、つらかった部分は?

つらかった部分はそんなになくて、この道を選んだのも自分ですし、自分が選んでやりたいと思って望んでやってきた道なので、つらいと思ったことはありません。

――2回のオリンピックを振り返って。まず、バンクーバー五輪の思い出は?

バンクーバーは19歳だったんですけど、すごく10代で、若くて、本当に気が強くて、その強い気持ちだけで乗り越えてきたなという感じがします。

――そして、その4年後のソチ五輪を振り返ると。

ソチ五輪は…やはりショートが残念な結果だったので、本当に気持ち的にはすごくつらい試合だったんですけど、フリーをああいう形で最高の演技で終えることができて、あの気持ちの状態から、バンクーバーからソチへの4年間の思いをすべてあの4分間にそそぎ込めたと思っています。