――今作は元お笑い芸人の男女コンビが登場します。倉田さんにとって「お笑い」「芸人」「賞レース」はどういうところが魅力だと感じたのでしょうか。
今の若い人たちにとっては、努力が報われる、一発逆転がある、そんな「ドリーム」がある、数少ない分野なんじゃないかと思います。受験でさえも「総合評価」というわかりにくいものになってきていて、恵まれた環境に生まれた人が有利な社会に変わっているように感じます。それと反比例するように、お笑い賞レースは、「面白いネタを披露できたやつが勝つ」という公平さが強まっているように思えます。多くの人がそこに惹きつけられて、夢を見るのは、至極当然のように思います。
――挑戦するお笑い芸人の方も、スタッフも、視聴者にも、それぞれドラマがあるということですね。倉田さんの“テレビ愛”が作品にも注がれていると思いました。テレビ離れといわれて久しい現在ですが、倉田さんのテレビ愛エピソードがあれば教えてください。
ドリフの「8時だよ!全員集合」が好きでした。裏番組のひょうきん族は、親が見せてくれなかった。本当は観たかったのに。ドリフの中で好きだったのは加藤茶さんです。志村さんも好きだったな。
――倉田さんが大好きな(大好きだった、も含む)テレビ番組を2~3番組教えてください。好きな理由も。
「野生の王国」や「動物奇想天外」、動物もの大好きでした! あと、ダウンタウンさんたちが出ていた「夢で逢えたら」、普通の人たちの恋愛模様がたまらない「ねるとん紅鯨団」も!
「王様のブランチ」「ミュージックステーション」「NHK紅白歌合戦」、「朝ドラ」は マンガのモチーフにしてみたいです。
――倉田作品は「人間ドラマ」や「人間の面白さ」を大切にされている印象です。マンガを描く際に大切にしているところはどんな点でしょうか?
リアリティですね。私はすごく俗っぽい人間なので。世間を間近で見てきた者として、たとえ作り話でもリアリティは大事にしたいです。
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