――そして、今年のおぼんこぼんさんを語る上で「水曜日のダウンタウン」は欠かせません。
おぼん:うん。仲悪かったで(笑)。
――今の仲はいかがですか。
おぼん:徐々に徐々に、戻りつつあります。
こぼん:まあ、普通じゃないですかね。ごくごく普通。
おぼん:いや「普通」って言葉が、俺はあんまり好きやないね。
――(笑)。「水曜日のダウンタウン」放送後の反響はどうでしたか。
おぼん:反響はものすごかったですよ。オンエアの翌日、東洋館で出番があったんですけど、長蛇の列ができてましたし。他にも、ありとあらゆる人からメールと電話がひっきりなしにきたり、「時の人」と言われたり(笑)。それが良いのか悪いのか僕らにはわかりませんけど、芸人である以上は目立ったほうが勝ちだから、やっぱり気持ちはいい。漫才ブームの再来ですよ。
――和解したことで、漫才などにおいてどんな変化がありましたか。
おぼん:目線の合う漫才をやるようになりました。前までは、こっち(こぼんのほう)はほとんど見なかった。舞台を半分に分けて、左半分は僕のお客さん、右半分は君のお客さんという感じでした。あとは、ネタ合わせをするようにもなった。ネタ合わせなんてずいぶん長い間、やってなかったんですけど。
こぼん:ネタ合わせというか、ネタの確認ですね。
おぼん:それでこの間、NHKの番組に出演した時、昔のネタを引っ張り出してやるからということで、確認のために2人で壁に向かってしゃべってたんですよ。そしたら、テツandトモが写真撮りやがって(笑)。
こぼん:「また、喧嘩かな?」って感じでね(笑)。
――「水曜日のダウンタウン」を見ていて、お二人とも漫才への想いが大変強いように感じました。50年以上のキャリアがある中で、なおも漫才に注力する理由は何なのでしょうか。
おぼん:だって楽しいですもん、漫才。見てるほうも楽しいし、やってるほうも楽しい。2人でネタを考えてお客さんがドッとウケる。「いいかげんにしなさい!どうもありがとうございましたー」と帰る時もまだお客さんがザワついてる…。こんな快感、ほかにありません。しかも、ウケればウケるほど売れて、最終的にお金もついてくるわけで。だからずっと続けているんです。
こぼん:他にやることがなかったという理由もありますけど、やっぱり、舞台に上がってウケた時の快感というのは特別ですね。
――漫才への快感がお二人に共通する原動力だと。
おぼん:とはいえ、おぼんこぼんって漫才だけじゃないんですけどね。タップを踏んだり、楽器演奏したり、歌を歌ったり、いわゆるショービジネスが好きなんですよ。
こぼん:僕らが昔よく出演していた赤坂コルドンブルーが、まさにショービジネスの場所だったからね。
おぼん:そういえば、コルドンブルーには僕らの後にとんねるずも入ってきたんですけど、ずいぶん面倒を見ましたよ。だからいまだに恩義を感じて、なにかと協力してくれるんです。ノリ(木梨憲武)なんか「本当にお世話になりましたから」ってすぐ来てくれる。
――「水ダウ」の放送後には、「番組を見て仲直りしました」といった手紙が、一般の方から多数届いたそうですね。
おぼん:そうそう。オンエアの後、「おぼんこぼんさんの姿を見て今まで疎遠になっていた家族と仲直りしました」とか「会社の上司とうまくいってなかったけど、僕のほうから折れて謝りました」とか、そういうお手紙をたくさんいただきました。あれはうれしかったですね。
――お笑いコンビでなくても、家族や友人などの大切な人とちょっとしたボタンの掛け違えで不仲になり、長い期間悩まれる方は多数いるかと思います。最後に、お二人に、仲直りするための秘訣をお教えいただきたいです。
おぼん:意地を張らないことですね。「この辺で折れないといかんな」っていう見極めが大事というか。僕らの場合は、TBSさんに2年間追いかけてもらって、最終的に(こぼんの)娘の披露宴で僕から握手をしたわけですけど、あの時はもう本当に別れるつもりだったんです。でも、ディレクターにもマネージャーにも説得されて。ディレクターなんかもう涙目になってるわけですよ。そんなふうに、自分たちのために一生懸命やってくれてる人たちを見て「ここは我を張ってたらいかん」と気付きました。そして「よしわかった。ここまでTBSさんもやってくれて、色んな方法で仲良くさすためにやってくれたわけやし」となって、仲直りしたわけです。まあ、この人(こぼん)がどう考えてたかわからんけど。
こぼん:やっぱり「もう終活するような年齢なのに」とはずーっと思ってたよ。「このまま死んだら謝られへんしなぁ。お互いになぁ」とかね。お互い、もうそんなに長くもないでしょうし。
おぼん:もうほんまにそれは感じる。でももうちょっとやりたいわ、俺。やりたいこといっぱいある。
こぼん:うん、健康である限りはね。
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