『潜水艦カッペリーニ号の冒険』主演・二宮和也の魅力を馬場康夫監督が明かす「間合いといい、言い方といい、本当に最高で」<インタビュー>

2022/01/03 07:00 配信

ドラマ インタビュー

「潜水艦カッペリーニ号の冒険」より(C)フジテレビ

――二宮さんの魅力はどこだと思われましたか?

僕はテレビドラマオタクなので、若いころに出演した「Stand Up!!」(2003年、TBS系)などの時代からずっと見ていますが、おそらく今までやってきた役の中で一番甘さがない役だと思います。もちろんこれまで、映画「プラチナデータ」(2013年)や「検察側の罪人」(2018年)などで厳しい役もやっていますが、今回は帝国海軍の軍人ですからね。緩さは一ミリもない。

正直、僕は最初に二宮くんが速水をやってくれると聞いたとき、「甘すぎない?」とちょっと思ったんですよ。どうしてもいつものイメージがあるから。でもまぁ現場には行ったら違いましたね。かなりガチガチの軍人がそこにいましたから。堤真一扮(ふん)する司令官に「堅いねぇ、君」と言われていますが、本当にその通りで。そのすごさはやはり二宮くんの魅力だと思います。

――実際に現場では二宮さんがアイデアを出されることも多かったと聞きましたが…。現場の二宮さんはどのような感じでしたか?

アイデアを出すタイプの俳優さんはたくさん知っていますが、二宮くんは、俯瞰(ふかん)して作品を見て意見を言う感じかな。ものすごくクールに全体を見ている人で。二宮くん演じる速水とイタリア人とのやり取りで、妹の早季子(有村架純)との交際は許さないと言う速水に対して、アベーレ(ペッペ)があなたも恋をしていると言い出し、最初は抵抗して突っぱねていたのに、「(香苗さんと)上手くいく方法、知っているよ」と言われて、急に「…何をおっしゃるんですか」と言ってしまうシーンは、めちゃくちゃ笑いました。

もちろん最初から台本に書いてあったのですが、間合いといい、言い方といい、本当に最高で。自分が本当に聞きたいことを言われて、どうしたらいいか分からず、でも何か言わなきゃとつい言葉にしたのが敬語だったという…。人間の素が出ちゃうというリアリティーがそのお芝居にはあったんですよね。それをサラッと演じられて、現場は大爆笑でした。そんな、キャラクターを理解している二宮くんだから生み出したシーンは山ほどありました。