『BLUE』に収録された「This Hope」では、制作中に大きな壁にぶち当たった。
「『This Hope』はもうとにかくわかりやすくキャッチーに作っていこう、みんなが好きそうなコード進行を使おうと考えて作っていたので、作曲は基本的には大変ではなかったです。ただこういう曲だからDメロがあったほうがエモいな、作りたいなと思ったんですけど、そこでどうしたらいいかわからなくなって思いっきりつまずいて、めちゃくちゃ落ち込みました(笑)。サビも命だけど、Dメロも同じように命だと思うんですよね。だから妥協はできないけど、作っても作っても納得がいかなくて。それで一回、自分の部屋で気持ちを沸騰させてリセットして。そうすると整理されるのか、すごく冷静になってやる気が湧いてくるんです。そこからはさっぱりとした気持ちで取り組めて、なんとか出来上がりました」
そして驚かされるのは、その制作期間。
「たぶん3週間で7曲くらい提出して、ボツを食らってからこの2曲ができるまでは1週間くらいで。時間がなかったんですよね…(笑)。でも時間がないからといってやらないのは許せなくて。時間はないけど、できないわけではないんじゃないか、じゃあやるしかないんじゃない?みたいな。TrySail(※雨宮が参加しているユニット)のツアー中だったので、新幹線でテーブルを出してiPadの鍵盤アプリを開き、鍵盤を2段表示し、イヤホンをして一生懸命つくりました。それで気持ちはかなり追い詰められたんですけど(笑)、でも諦めたくなかったんです。やっぱりベストアルバムのリード曲だし、またとないチャンスだから、ここで妥協したらきっとまた妥協するだろうなと思って。やってやらぁ!みたいな気持ちでした(笑)」
(取材・文 / 東海林その子)
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