――撮影はもう全話撮り終わっているということですが、今作で“パティシエさん”こと丈士を演じていかがでしたか?
元々料理はするんですけど、お菓子作りはあまりしたことがなかったので、実際に製菓学校でお菓子作りの“いろは”を教えてもらいました。何においても繊細で、しかも立ち仕事だから足も疲れるし、目も疲れるしで、すごく大変な職業なんだなって思いました。もう(パティシエを)尊敬ですね。
――製菓学校で教えてもらったことで、特に演技に生きたなと思うことはありますか?
手つきや物の持ち方は1から教えていただいたので、それは本物のパティシエっぽく見えてたらいいなって思います。(講師の手本を)撮りながらやったりもしたんですけど、“かき混ぜる”ということ1つ取っても、パティシエがやっているのとそうでない人がやっているのは全然違ったので、そこはすごく練習しました。
――丈士を演じる上で気を付けたことは?
原作の最後に“周りのスタッフさんたちに支えられながらこの作品ができました”っていうこととか、銀泥先生の作品に対する思いが書いてあって、その文章から人柄や思いがにじみ出ていたので、先生が描いた世界観を一番大切にしたいって思いました。
作品をお借りして、それを僕が丈士として体現するということで、やっぱり銀泥先生の思いや大変だったこととかも含めて映像にできればなと思いました。
――丈士はなかなか奥手な性格ですが、共感できると思いましたか? それとも自分とは違うと思いましたか?
ここまで名前を聞けないというのもなかなかですよね(笑)。原作では割とギャグっぽく描かれているところもあるので。
でも、今はSNSとかで簡単に連絡が取り合える時代であるが故に、こうやってアナログで名前を聞けないということの尊さというか、そこはすごく大事にしたいという思いはあります。
したたかさのようなものも多少あれど、やっぱりそういうピュアな気持ちというか、純粋に目の前にいる人が好きで仲良くなりたい、お話したいみたいな…要は中学生みたいな恋愛じゃないですか。
だけど、それって大人になるにつれて忘れてしまうこともあるだろうし、それを取り戻すというわけじゃないですけど、そんな気持ちになれたのはよかったですね。僕もガツガツしたタイプではないので(笑)、そういうところを大切にしながら生きていきたいなって思いました。
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