――“僕”にとっての尚人は、会社の同期というだけでなく、“彼女”のことを唯一相談できる親友でもあります。
北村:自分の友人関係を振り返ってみても、自分と似ているタイプはあまりいなくて。みんな自分にはないものを持っている人ばかりなので、“僕”と尚人も自分にないものを補い合っている関係なのかなと思いました。あとはやっぱり志が一緒だったから仲良くなれたんでしょうね。
井上:印刷会社に入社したばかりの頃は、“渋谷をジャックするぞ”と、2人で意気込んでましたからね(笑)。学生時代に出会っていたら、あそこまで仲良くなっていなかったかもしれないけれど、社会人として目指しているところに共通点があったから、より分かり合えたんだと思います。
――描かれるのは、“僕”が“彼女”と出会ってからの5年間。「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」という“彼女”からのショートメールで始まった2人の恋は、青春そのもの。しかし、後半にはある事実が明かされ、驚きの展開を見せていきますね。
北村:もし自分にあのショートメールが送られてきたら、“あざとい!”と感じてしまうと思います(笑)。そもそも2人が出会う場所も(就職先が内定した)“勝ち組”飲み会という名称で、僕だったらまずそこでドン引きしていると思う(笑)。ただ、“僕”もその飲み会には退屈しているので、そんなショートメールを送ってくる“彼女”のことを面白そうだと感じたのは分かる気がします。
井上:でも、ちょっとズルいですよね。その後、ほとんど恋に落ちかけている“僕”に対して、“彼女”が「もうちょっと押してくれたら、いいかも?」と言うシーンがあるじゃないですか。あれは本当にズルいと思う(笑)。物語の後半で明かされる“ある事情”を知ってから見たら、“僕”の「朝まで一緒にいてくれませんか?」というセリフがものすごく悲しく切なく響いてきますよね。
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