インタビューでは、お笑いへの思いも本音で語った。年々厳しくなるバラエティー番組のコンプライアンス問題について、林先生が太田の著書の一節を引用し「太田さんはテレビを無菌状態にしたくはないと。規制についてどうお考えですか?」と問いかけると、太田は「芸人によって考えは違うけど、俺は笑いはいじめそのものだと思っているんですよ」という。
一見ショッキングなその言葉。裏側には、“人はなぜ笑うのか”という問いへの温かい眼差しがあった。
「(外見や失敗を笑いのネタにすることは)いずれできなくなると思うんだけど、それっていいのかな、って俺はちょっと思っていて」「その笑いには軽蔑や蔑みだけじゃなくて、愛嬌があったり、『そういうことってあるよね』っていう共感の笑いも同時に重なっている」と持論を展開。
「俺は、人間は人の失敗で笑うものだと思っている。だけど、それは軽蔑の笑いだけじゃない」「単純に、『痛みを伴う笑いはいけません』っていう論理は、俺ら(芸人)からしたら乱暴だなと思う」と自身の考えを話した。
笑いについて真剣に語る太田に、スタジオで見守る田村淳も「ここまでふざけないで語っている太田さんを見たのは初めてだと思う」と驚いた様子。
高校時代は3年間、まったく友達ができず苦しんだ太田。爆笑問題としてブレークしたばかりの若い頃、テレビで「高校時代は友達がいなくてすごく追い詰められていた」と打ち明け、「その時、僕が大人になって何か表現できるようになったら、そういう立場にある子どもが勇気づけられることを言いたいなと思っていた」と当時の思いを語っていたが、今もその思いは変わらない。
インタビューの最後には「人間関係で悩むのは当たり前ですよ。だって全然違うんだもん、人と人とは」と力を込め、「(苦しんでいるのは)自分だけじゃないかと思う人には、俺は『ほとんどの人はそうですよ』って言いたいね」と、悩める視聴者に力強いメッセージを送った。
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