エンタメ好きとしてチェックしておきたい話題の本やマンガ・アニメ、音楽情報をダ・ヴィンチニュース(https://ddnavi.com/interview/912295/a/)の協力を得てお届け。今回取り上げるのは、ゲーム「アサルトリリィ」で一柳梨璃・一柳結梨を演じた赤尾ひかると伊藤美来が、本作の魅力を語り尽くしたインタビュー。
「ヒュージ」と呼ばれる謎の生命体が出現した、近未来の地球。人類を守るために科学と魔法の力<マギ>を結集した決戦兵器「CHARM(チャーム)」を身に着けた少女たちが戦う――。
アクションドールから生まれたメディアミックスプロジェクト「アサルトリリィ」。2020年1月に舞台を公演、2020年10月よりテレビアニメ「アサルトリリィ BOUQUET」を放送、2021年1月よりスマートフォン向けゲーム「アサルトリリィ Last Bullet」をリリースするなど、その世界は広がりつつある。
今回は、「月刊ブシロード」との共同企画で、インタビューをお届けする。登場してもらったのは、一柳梨璃役の赤尾ひかると、一柳結梨役の伊藤美来。ふたりはアニメ「アサルトリリィ BOUQUET」で一柳隊のメンバーとしてともに「ヒュージ」と戦い、悲しい別れを迎えた。そしてこのたび、結梨はゲーム「アサルトリリィ Last Bullet」に登場。梨璃と結梨のコンビが久々に復活した。プロジェクトに深く関わるふたりが、本作の魅力を存分に語ってくれた。
――「アサルトリリィ」プロジェクトは舞台、アニメ、ゲームと幅広く展開している企画です。このプロジェクトの魅力はどんなところにあるとお考えですか。
赤尾:「アサルトリリィ」プロジェクトは手足の動く人形(アクションドールシリーズ)から始まって、舞台、アニメ、ゲームとどんどん発展していて、今ではライブもできるほどになりました。キャラクターもたくさんいるし、ストーリーも世界観も広がっていく。可能性は無限大だなって思いながら、関わらせていただいています。関わることができて、感謝でいっぱいです。
伊藤:私はアニメ(「アサルトリリィ BOUQUET」)からの参戦だったんですけど、役をいただく前から「アサルトリリィ」というコンテンツのことは知っていたので、お話をいただいたときは「アサルトリリィ」プロジェクトに参加できる嬉しさを感じて、素直にワクワクしていました。
――ご自身の演じるキャラクターの印象についてお聞かせください。まずは赤尾さんが演じる一柳梨璃。お姉さまの白井夢結に憧れて、百合ヶ丘女学院に入学した女の子です。
赤尾:梨璃は、最初は真っ直ぐで純粋かつヒロインのような子なのかなと思っていたのですが、作品の世界観が生と死を扱っていることもあって、作品への登場回数が増えていくうちに、どんどん変化していく子だと感じています。百合ヶ丘で出会う子たちも増えていきますし、学校の垣根を超えて出会う子たちもたくさんいて、スマートフォンゲーム「アサルトリリィ Last Bullet」では梨璃が劣等感を抱くという展開もあって、新しい物語が描かれるたびに、いろいろな感情も描かれていく。普通の子だからこそ、物語のたびに多彩な変化や成長を見せてくれるんだな、と思っています。リリィたちはそれぞれが背負っているものがあって、それをいっしょに背負うことができるキャパシティの大きさも持っている、一柳隊の隊長にふさわしい子だなと思っています。
伊藤:赤尾さんは梨璃になるべくしてなった子だな、と思いました。アニメのアフレコでは、私は第7話から参加することになっていたので、最初はすごく不安だったんです。「アサルトリリィ」はいろいろなメディアですでに動いている作品でしたし、キャスト陣もしっかりとチームワークができているだろうから、その中に飛び込んでいけるかなって。でも、赤尾さんがアフレコ現場でたくさん話しかけてくださって、みんなの輪の中に入れてくださったんです。おかげで、すぐに一柳隊の一員という気持ちになれましたし、その気持ちのままお芝居をすることができました。梨璃ちゃんからあふれるリーダーシップ感と、赤尾さんから感じる包容力で、ついていきたいという気持ちになるんです。梨璃に、赤尾さんは似ている!って、個人的には思っています。
赤尾:うれしいです!ぽんこつだったり、おっちょこちょいだったりするところは梨璃と私の似ているところなのかもしれないなって思っていたんですけど(笑)。
伊藤:(笑)。
赤尾:梨璃と似ていたら嬉しいです!
伊藤:赤尾さんのぽんこつなところは、まだ見たことがないんです(笑)。いつも(一柳)梨璃ちゃんは結梨ちゃんの前ではいつも凛としてる、お姉さんのイメージがあります。
――伊藤さんが演じる一柳結梨は、記憶喪失の謎の少女。アニメでは彼女の秘密をめぐって物語が動きます。
伊藤:結梨はほかのキャラクターと違うので、演じるのがすごく難しいキャラクターでした。最初は記憶がなくて、赤ちゃんのように何も知らない状態からスタートして、みんなといっしょに過ごすうちに成長していく。監督とその成長過程を細かく打ち合わせして、ディレクションをいただきながら収録していきました。結梨は純粋でわからないことには好奇心が旺盛。どっしりとしているところはどっしりしていて、大物感もあるんです。子どもっぽいからこそ真っ直ぐなところが魅力的だし、ピュアなところは尊敬できるなって思っていました。
赤尾:結梨ちゃんはかわいくて、かわいくて!アフレコが始まる前から、全話の台本をいただいていたので、結梨ちゃんが登場することを知っていたのですが、最初はどんな子なのだろうと思っていました。台本を読み進めていったら、梨璃と夢結、一柳隊のみんなで結梨ちゃんを育てていくことがわかって、娘ができたような気持ちになりました(笑)。アフレコで早く会いたい気持ちでいっぱいで、テンションが高まったところで、みっくちゃん(伊藤美来)とお会いできて。みっくちゃんが演じる結梨ちゃんを聞くことができて…「生まれた!」って気持ちになりました。
伊藤:(笑)。
赤尾:それまでの梨璃はみんなに付いていき、そこでみんなを守っていく感じだったのですが、結梨ちゃんを育てることで、すべてを守りたいという強さが出てきて。母性のようなものが芽生えてきたなって思います。結梨ちゃんの突拍子もない、無邪気さゆえにポンと出る言葉がすごく深みがあって。まわりをしんみりさせたり、よろこばせたりする。一柳隊をひとつにしてくれた、ムードメーカーのような存在だと思います。
――梨璃と結梨が所属している一柳隊のキャストの印象をお聞かせください。
赤尾:最初に一柳隊が集まったのは舞台でした。最初は舞台陣、声優陣が集まって、それぞれが相手の仕事を尊重しながら、ひとつのものをつくりあげるところから始まりました。そうやっていくうちに、だんだんみんなのキャラクター愛が深くなっていって。今では、みんなと出会えてよかったなと思える、かけがえのない仲間になっています。
伊藤:みんな仲が良いんですよ。アフレコではコロナ禍の分割収録だったので全員と一度に録ることはできなかったですけど、各話の収録が終わって入れ替わるときにみんなとお会いできて。そのとき、井澤(美香子)さん(楓・J・ヌーベル役)がネコの話をしていて。
赤尾:ネコ好き(笑)!
伊藤:いっしょに盛り上がることができました。仲の良い学校のクラスの女子グループって感じで。その中に入れていただいたことが、すごく嬉しかったです。
赤尾:みんなとは、仕事の垣根を超えていっしょにいられる愉快な仲間たちだなと思います。
――赤尾さんたちは、アフレコ前から全話の台本をお読みになっていたということですが、結梨の運命も知っていたんですよね。
赤尾:そうですね、知っていました。
伊藤:私もアフレコに参加する前に、台本を全部いただいていて。あわせて第1話のアフレコが入った映像も資料としていただいていたんです。なので、作品の雰囲気を知ったうえで、収録することができました。監督さんからは最初に「3話分しか出ないけど、最後の戦いに挑むシーンまでには、結梨の年齢感を、梨璃ちゃんたちと同じくらいに上げてほしい」と言われて、ストーリーに合わせて、どこで成長していくのかをお話しながら決めていきました。
――おふたりの印象に乗っているシーンはどんなところですか?
赤尾:楽しい日々が明るく描かれている中で、結梨ちゃんが「わたしもリリィになりたいの」と言ってくれて(「アサルトリリィ BOUQUET」第8話)。一柳隊のお部屋で、結梨ちゃんを含めた10人でいっしょにいるシーンがとても印象に残っています。この光景がずっと続けば良いな、と思うシーンでした。
伊藤:私(一柳結梨)の出番は、話数的に3話分くらいだったので、決して長くはなかったんですけど…。やっぱりその中でも、最期のシーンは印象に残っています。「私だって戦える。だって百合ヶ丘のリリィだもん」と言っているシーンを収録したときのこともよく覚えていますね。アフレコをしているときは、まだアクションの画が出来上がっていなくて、監督さんに絵コンテの画を見せていだだきながら、「ここで声を入れてください、ここで息を入れてください」と細かく指示をしていただいて。アクションシーンを想像しながら収録をしていきました。できあがった映像を見たときは、映像とアクションのすばらしさに感動しましたね。
――アニメ「アサルトリリィ BOUQUET」の放送後、おふたりがごいっしょしたのは2021年8月27日に開催された「Animelo Summer Live 2021 -COLORS-」(DAY3)(以下、アニサマ2021)ですね。一柳隊は「君の手を離さない ~BOUQUET ver.~」「GROWING*」「Edel Lilie」の3曲を披露。「GROWING*」では、伊藤さんが一柳結梨としてパフォーマンスに参加されましたね。
伊藤:参加することが決まったときは、めちゃくちゃ嬉しかったです。同じ日に、私はソロとしてもラインナップされていたんですけど、当日の出演者のラインナップの中に一柳隊がいたので「絶対にいっしょにやりたい!」と思っていたんですよ。実現してすごく嬉しかったですし、みなさんといっしょに歌うのは初めてだったので、できるだけ結梨に近づきたいなと思って準備をしました。
赤尾:髪の毛もふたつ結びにしてくれて。
伊藤:結梨の髪色に似たカラーのハーフウィッグをつけて、髪を伸ばして。「アサルトリリィ」プロジェクトは声優さんが舞台にも出ていて、そのまま役を演じていらっしゃるから、二次元と三次元の距離が近い印象があったんです。せっかくみんなといっしょにステージに上がれるのなら、私も近づきたいと思って、気合を入れて準備をしました。
赤尾:本番は会場の熱気もすごかったですし、私の心も熱くなりました。いっしょにやった「GROWING*」という曲は、お客さんといっしょに振りを合わせたり、目を合わせたりすることが多い曲なのですが、ラスサビで結梨ちゃんが登場してからは「一柳隊のみんなで結梨ちゃんを見る!」という振りをしていたんです。そうしたら、結梨ちゃんが私の向かい合わせのところに立って、同じ振りをしてくれたんですよ!してたよね?
伊藤:そうです、そうです!梨璃ちゃんと同じ振りをしてました。
赤尾:遠目だったけど、「やってくれてる!」って嬉しくなりました。振りの中ではアドリブのような感じで、それぞれのポーズが違うところがあるのですが、私がいつもやっているダブルピースをみっくちゃんがしてくれて! 言葉にできないくらいの感情があふれてしまいました。
伊藤:梨璃ちゃんの前に立つということで、梨璃ちゃんと鏡映しの振りにしようと思って。いっしょにできるのが楽しみだったので、当日のステージはとても楽しかったです。制服を着ることができたのも嬉しかったですし、素敵な演出で登場させていただけてとても良かったです。
――スマートフォンゲーム「アサルトリリィ Last Bullet」では一柳結梨が登場するイベント「ユリの花咲く場所」が実施されました。
伊藤:アニメがああいう終わり方だったので、結梨をがっつりと演じることはないかもしれない、とさみしくなっていたところで、今回のイベントだったので、すごく嬉しかったです。結梨がいたころの思い出を掘り下げていただけて、もっと深いところでいろいろな表情を見せられるのは楽しいですね。
赤尾:私も、ずっと待ち望んでいました。アールヴヘイムのリリィたちがどんどん実装していくなかで、結梨ちゃんも絶対に実装するよね、とずっと思っていたんです。でも、こんなに早く会えるとは思っていなかったので、嬉しい気持ちでいっぱいです。私は、一柳隊はアニメによって10人になったと思っているので、「アサルトリリィ Last Bullet」でも10人になることができて良かったです。結梨ちゃんがプレイアブル化するということは、結梨ちゃんといっしょに戦うことができる、ということですよね。ぜひ多くのプレイヤーが結梨ちゃんといっしょに戦って、結梨ちゃんのレアスキルやメモリアを使いこなしてくれると良いな、と思います。
――赤尾さんは「アサルトリリィ Last Bullet」をどのようにプレイされているんですか?
赤尾:一柳隊のキャストのみんなでゲーム中も一柳隊を結成していて、オンラインでいっしょに対戦したりします。いつもアラームを23時にセットしていて、そこからみんなでプレイしているんです。
伊藤:23時…まあまあ遅い時間ですね(笑)。
――伊藤さんもぜひお誘いください。
赤尾:そうですね! ぜひ!
伊藤:ありがとうございます!「アサルトリリィ Last Bullet」は、本当にボイスが豊かなんですよね。ストーリーや戦闘シーンだけじゃなくて、記念日や季節だったり、それぞれ細かくボイスが用意されていて。「アサルトリリィ Last Bullet」でしか見られない表情がたくさんあるんです。ぜひ、結梨をお手元に置いていただいて、そういった表情を楽しみにしてもらえれば嬉しいです。
――まだまだ「アサルトリリィ」プロジェクトは広がっていきます。おふたりが今後やってみたいことはどんなことですか?
赤尾:「アサルトリリィ」プロジェクトには、楽曲がたくさんあるんです。舞台の曲もあれば、ゲームの曲もある。その中で、みっくちゃんの曲はソロ曲なので、梨璃と結梨でデュエットしてみたいと思っています。
伊藤:デュエットやりたいです! 結梨のソロ曲(キャラクターソング)「まばたき」はアニメの第9話の特殊エンディングで流してもらったんです。きっとアニメ「アサルトリリィBOUQUET」をご覧になった方は、印象に残っていると思います。「アサルトリリィ」プロジェクトには楽曲がとても重要な役割をはたしているので、ぜひ新しい曲にも挑戦してみたいですね。
――「アサルトリリィ」プロジェクトにここまで関わったことで、刺激になったことや学びになったことがあればお聞かせください。
赤尾:「アサルトリリィ」に携わらせていただいて、「声優さんになったらこういうことがしてみたい」という夢がひとつずつ叶っていて、とてもやりがいや達成感を味わっています。新しいことをしようとしているときに優しく手助けしてくれる方が、背中を押してくれるプロジェクトだなと思います。自分のキャラクターが人形やカードゲーム「ヴァイスシュヴァルツ」のカードになったことも嬉しかったです。
伊藤:私はアニメ「アサルトリリィBOUQUET」で初めて、「最期が決まっているキャラ」を担当したんです。こういう出番が限られているキャラは「爪痕を残さなきゃ」という気持ちが先立ってしまいがちなんですが、結梨は「急に最期を迎えるキャラ」なので、あまり力を入れすぎず、見てくださる方の記憶に残るシーンになればいいな、と思っていました。いままで経験したことがない感情を演じることができて、すごく勉強になりました。
――まもなく「アサルトリリィ Last Bullet」も一周年を迎えます。ここまでたどり着いたおふたりのお気持ちをお聞かせください。
伊藤:結梨のイベントのストーリーをぜひ見てほしいです。イベントでは結梨の初めて見る表情や、アニメでおなじみのシーンなど、印象的なシーンがたくさん盛り込まれているので、結梨のことをより好きになってもらえると思いますし、ほかのキャラクターたちとの関係を深く感じられると思います。
赤尾:「アサルトリリィ Last Bullet」では、メモリアを集めるのが大好きなんです。どのメモリアも素敵でこだわりぬいたものになっているので、ぜひたくさん集めていただきたいです。結梨ちゃんと梨璃のメモリアをお持ちの方は、大切にしていただきたいです。
赤尾ひかるさん・伊藤美来さんのインタビューは、雑誌「月刊ブシロード2022年2月号」にも掲載されています。ぜひご覧ください。
月刊ブシロード2022年2月号はこちら