――「ガンダム」の看板を背負うというプレッシャーはありましたか?
橋本:アニメを見ると声優の皆さんの演技が素晴らしくて、いち視聴者として見ていてもバンバン伝わってくるものがあったんですよね。だからこそ余計に生半可なことはできないと思っていましたし、突き詰めて考え過ぎて、当時は自分の視野が狭くなっていたというか…。稽古場でもずっと考え込んでたんですけど、ロックオン・ストラトス役の伊万里有くんからは、「あのとき、暗かったよね」って言われました(笑)。
――突き詰めて演じた前作では、得たものも大きかったのではないでしょうか。
橋本:本当にいい経験ができました。あそこまで突き詰めて考えられた経験は今後も大切にしていきたいです。もちろん、それまでも真剣に役と向き合っていたつもりではあったんですよ。でも、刹那を演じて、自分自身もそこまで落ち込んで…という経験をして、まだまだ底があるんだなということを知らされました。作品を背負わせていただくならとことん役と向き合わなくてはいけないと思いますし、刹那のおかげで役との向き合い方が少し変わった気はしますね。
――改めて、舞台「機動戦士ガンダム00」の魅力はどこにあると思いますか?
橋本:生モノならではの熱量が舞台の一番の魅力だと思います。だから、僕も前作の時は結構熱くなっていた部分もあって…。「刹那はもっとクールだよ」という意見もあるかもしれないけど、その世界で生きている者として、感情が動いて、それを発信するということを、僕は大切にしたいと思っています。舞台の表現ならではのガンダムの動かし方も、舞台でしか見られないものですしね。
――続編は2020年に上演予定でしたが、コロナ禍の影響を受けて延期となりました。
橋本:悔しい思いもしましたが、マイナスなことばかりじゃないと思うんです。アニメでも、ファーストシーズンからセカンドシーズンに至るまでに、刹那自身が成長してるんですよ。僕も前作から今回の公演までの間にいろんな作品を経験して、前作のときの自分よりは引き出しも増えたと思いますし…といっても“めちゃくちゃ増えた”というわけではないですけど(苦笑)、そこはアニメと重なるところではあります。人間としても年を取った自分の方が成長していると思うので、長い準備期間だったと思うようにしています。
――最後に、続編へ向けた意気込みを教えてください。
橋本:現実の世界には新型コロナという敵も現れましたけど、それによって感じたいろいろなことだったり、ニュースを見て考えたことだったりも全部生かして、健康には気をつけつつ、魂は燃やしながら舞台に立ちたいと思っています。前作のときは「何もできなかった」という悔しさがありましたが、セカンドシーズンでは刹那自身も成長して、目的を持って戦いに挑むことになるので、僕も前向きに、一生懸命に役や作品と向き合います。皆さんにはその姿を見ていただけたらうれしいです。
◆取材=尹秀姫
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