佐藤健、本気で謎解きに挑む“頼れるかっこよさ”「佐藤健&千鳥ノブよ!この謎を解いてみろ!」

2022/01/25 18:01 配信

バラエティー コラム 連載

ゲストはオンエア初解禁…ネタバレを避ける番組構成


ゲーム開始を告げられた佐藤健ノブは、島に散らばる謎を解きながら、囚われている仲間を助け出していく。ただ、仲間が誰なのかは行ってみないと分からない。それどころか、視聴者にも事前に伝えられていない。なんとゲストはオンエア初解禁で、予告映像でも「仲間A」の文字で顔を隠すほどだった。

事前にゲストを伝えれば、そのゲストのファンの視聴も見込める。それなのに顔を隠すのは「死ぬ可能性があるから」だろう。今回のテーマはデスゲームで、謎解きに失敗すると「死」が訪れる展開がある。予告映像でゲストの姿が見切れれば、その人は生き残ることが事前に分かってしまう。プロモーションの効果を捨ててでも、ネタバレを避けたことに震える。

失敗できない「一発勝負の謎」を成立させるスゴさ

※画像は「佐藤健&千鳥ノブよ!この謎を解いてみろ!」公式Instagram(nazo_tbs)より


「死ぬ可能性」はゲームの展開にも影響する。あるステージで失敗したら、次のステージでは人が減った状態でプレイすることになり、それでもゲームが成立するよう設計せねばならない。いくら謎解きに長けた挑戦者たちでも、何かの間違いで全敗する可能性だってゼロではない。場合によっては、長い時間をかけて用意した仕掛けを捨てる覚悟だっているだろう。

さらに、今回は初のオールロケ。スタジオ内の収録と違い、ロケの謎解きは天候に左右されるし、移動範囲も広い。その辺に落ちているものを使ったらうっかり正解が出てしまった、といった別解の可能性も丁寧もつぶす必要がある。変数がとにかく多いのだ。

謎解きイベントではこうした別解が生まれないよう、事前に「デバッグ公演」をすることがある。実際に何も知らない人に解いてもらい、問題点があればそれを修正して本公演に臨むわけだが、「この謎を解いてみろ!」はオーダーメイドの一発勝負。本番で誰がどう動くか分からないし、それはそれは事前のシミュレーションを死ぬほど繰り返したのではないだろうか……。

そうした思いに駆られるのも、番組が用意した「謎」のスケールがとにかく大きかったからだ。ネタバレを避けるために詳しくは書けないが、実在の島や廃墟を舞台に、その構造を巧みに使って何重にも仕掛けられた謎の数々は、もはや成立するのが奇跡ではと思うほど。「史上最強の謎解きクリエイター集団」の実力を確かめるだけでも、この番組を見る価値がある。

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