矢野顕子「音楽を作ることはご飯を食べることと同じ」<『矢野顕子とおともだち』インタビュー>

「小田さん、清水さんとお話ができて本当にありがたい」

収録中は笑顔が絶えず、小田和正と清水ミチコの話に笑いが止まらない場面も(C)ひかりTV


矢野と同じく日本の音楽界で長く活躍し続けている小田和正と、矢野とプライベートで親交のある清水ミチコ。2人を迎えた収録の感想を聞くと、「清水ミチコさんが機転を利かせてうまく進行してくれて。おしゃべりのプロとしての彼女の実力をすごく感じました」と、開口一番に清水の進行ぶりを絶賛。

小田については、「久しぶりにお会いできて、自然体でお話ししてくれたことがうれしかったです。小田さんの飾らない、正直なところも見ていただけるんじゃないかと思います」と話し、2人と話せる貴重な機会となった今回の収録について「本当にありがたいな」と感謝の気持ちを口にする。

「これまでの45年間は、今いい音楽を作り出すためのものだったのかな」


番組では、2021年にデビュー45周年を迎えた矢野の音楽家人生を振り返っている。改めてこの45年について話を振ると、「“あの時はああだった”とか、まったく覚えていないの。今の自分にしか興味がないんです」と笑いながらも、「ただ、45年やってきたというのは事実としてあるわけで、今いい音楽を作り出すための月日だったのかなと思えば、45年間活動を続けてこられたのは本当にありがたいことですよね」と語った。45年の中での、音楽との付き合い方の変化については、「基本的には変わっていないと思います。私にとって音楽を作ることはご飯を食べることと同じレベルで、それ以上でもそれ以下でもない」ときっぱり。

それでも、年齢を重ねたことで変わらざるをえない部分もあるようで、「例えば、若い時はピアノを一日6時間、7時間練習することで、うまくなっていくことが面白かったけど、今は集中力がないから1時間弾いたらもう飽きちゃうの(笑)。ちょっと休んで、また2時間弾いたりね。この年齢になっても“毎日7時間弾いてます!”なんてちょっと現実的じゃないでしょ(笑)」と話す。ただ「レコーディングに入ると、平気で4時間ぐらいぶっ通しで弾いちゃうの」とほほ笑み、音楽への尽きない熱量を感じさせる。

最後に、番組を楽しみにしている人々へメッセージを求めると、自身が過去のレコード用に考えたコピーだという“一生懸命作りました。一生懸命聴いてください”をもじり「楽しんで作りました。楽しんで見てください」と笑顔でコメントした。