℃-ute解散から5年を前に――鈴木愛理が楽曲制作で感じた心の変化「“過去の自分を認めていってあげたい”という言葉にプレッシャーを感じていたのかな」<インタビュー>

2022/02/05 11:00 配信

音楽 インタビュー

「改めて心の変化があったんだな」と感じた日本武道館公演


――昨秋に行われた日本武道館公演も、気持ちの変化がプラスに作用したのでしょうか。

ソロデビューの時にも日本武道館でライブをやらせていただいたんですけど、2回目の昨年の武道館ライブは、そういった気持ちの変化もあって、立っている時の感覚が全然違いました。自分の心の中だけの話になるんですけど、ステージに立っている時に自分が変に着飾らないというか、自分のままでいられるようになりました。

本当に肩の力が抜けた状態で立つことができたなって。実際にステージに立ってみて、改めて心の変化があったんだなって感じられました。

――その日本武道館公演では、今回のアルバム収録曲も多数披露されました。ファンの方の反応はいかがでしたか。

今は一緒に声を出して盛り上がることはできないので、ファンの方は座った状態で上半身だけでグルーヴを取ったり、クラップをしたりという環境下でのライブでした。

アイドル時代からコール&レスポンスがあってこそライブという印象が大きかったので、それがないってなると、こちら側がファンの皆さんの“声じゃない何か”を引き出さないといけない。そのためにはどうしたらいいのか、この2年間考えてきました。

その結果、「ここはみんながクラップをしやすい音を入れてみよう」とか、「声は出せないけど体が動いちゃうようなドラムのテンポを入れてみよう」といった音楽的なアプローチが増えたんです。より、歌や音楽にフォーカスして、ライブの内容を考えることができるようになりました。新しい発見も多くて、これはこれでよかったのかなって思います。

世の中が元通りになったら、この新しい考えとファンの皆さまが持っている従来のライブの楽しみ方が合体するかもしれない。これはすごいことになるなって、今からワクワクしています。

ライブで披露した楽曲の中にはファンの方が声を出してくれることを前提に作った曲もあるので、そういった楽曲は世の中が良くなったらファンの方の前で早く歌いたい。きっと、みんなで溜まっていたものを出せるだろうなって思います!

「やっとソロというものに胸を張ってやれるようになりました」


――今年は℃-ute解散から5年となる節目の年でもありますね。

人間って何事も変わるには3年かかるんだなって実感した期間でしたね。解散して最初の3年くらいはもがいていた時期があったので、あっという間だったなって。解散してからの半年は水面下での活動しかできなかったので、その期間も入れたら悩みの時期でした。

ソロになってからの前半戦は、もがきながら「℃-uteの時だったらこうだったのにな」と比べてしまう自分もいながらステージに立っていました。去年くらいからやっとソロというものに胸を張ってやれるようになりました。時間はかかりましたね。

――2022年の目標を教えてください。

℃-ute時代は周年や解散といった節目の時しか大きな会場でライブをやっていなかったので、東京ドームに立ってみたいとか、会場の大きさを目標に出すと夢は尽きないですね。

それ以外のところで言うと、自分にうそをつかないことを心掛けていきたいです。自分の心にうそがないように音楽活動がしたいですし、人間活動もしたいと思っています。

今年は℃-ute解散から5年だけでなく、この世界に入って20年目という節目を迎える年なので、いっぱいまいてきた種が花開くといいなって。それがファンの方に対しての恩返しになっていけばうれしいです。

いろいろなお仕事をさせていただいていますが、最終的には音楽活動で恩返しができる2年にしていきたいですね。


取材・文=宮澤祐介

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