“ハルヒ”以来のスニーカー大賞受賞作品「シュガーダーク」はアニメ化も視野に

2009/11/24 22:25 配信

芸能一般

授賞式に出席した井上伸一郎氏、坂本浩一氏、新井円侍氏、mebae氏(写真左から)(C)新井円侍・mebae/角川書店

新人ライトノベル作家を発掘する文学賞「第14回スニーカー大賞」の授賞式が18日、都内で開催され、「涼宮ハルヒの憂鬱」(谷川流著)以来6年ぶりの大賞受賞となった「シュガーダーク 埋められた闇と少女」の作者・新井円侍氏が喜びを語った。

同作は、えん罪で逮捕され共同墓地で墓掘りを強いられる少年・ムオルと、「墓守」と自称する少女・メリアが心を通い合わせていく中で、“ザ・ダーク”という死なない怪物の謎が明らかになっていくという“異世界ダーク・ファンタジー”。12月1日(火)に角川スニーカー文庫から刊行され、書籍のイラストは「AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜」(小学館ガガガ文庫)「GENEZ(ジーンズ)」(富士見書房ファンタジア文庫)のmebae(めばえ)氏が担当する。

新井氏は、同作を書き始めたいきさつを、「墓守という仕事がファンタジーの主人公として面白いと思って書き始めた。詳しくは書籍の後書きに書いたのでぜひ読んでください!」と語り、早速宣伝に励んだ。

選考を行った角川スニーカー文庫編集長の坂本浩一氏は「際限なく土を掘り続ける少年の徒労感や諦念(ていねん)の描写が巧みだった。意外性のあるストーリーや感情移入できるキャラクター造形にも評価が集まり、審査員の満場一致で大賞に決定しました」と同作を評価。

角川書店代表取締役社長の井上伸一郎氏は「スニーカー大賞は15年の歴史の中で大賞が出たのは4回だけ。それぞれが画期的な作品だったが、今回の『シュガーダーク』はダーク・ファンタジーとライトノベル的世界が融合した特異な作品。ぜひアニメ化してみたいとも思いますね」と展望を述べた。

会見では人気声優の井上麻里奈がナレーションを務める同作のテレビCMも上映され、新井氏は「井上さんにはすてきな朗読をしていただいて本当に感激です。この作品は異端な作品であることは間違いないので、選んでいただいた角川書店さんは勇気があるなと思います(笑)。ライトノベル作家は入れ替わりが激しいが、息の長い作家になって生き残っていきたい」と意気込んだ。