配信サービスの「Amazonオーディブル」でオリジナルポッドキャスト「Journey The Origin With Anne」の配信を開始した女優の杏。同番組は、彼女が選んだ一冊の本から様々なテーマにわたる物事の起源を辿る内容となっており、杏は「もともと一ジャンルの歴史について書かれた本がすごく好き」と語る。女優・モデルのほか、旺盛な好奇心で様々なことに挑戦し、それに加えて3児の母として家事・育児をこなす杏には、世の女性から尊敬と憧れの眼差しがよく向けられている。多くの人から羨望の念を抱かれる素敵な女性であり続ける秘訣を聞くと、杏からは「素敵でいることはなかなか難しい。毎日いっぱいいっぱい」と飾らない本音が返ってきた。また、YouTubeや個人として発信するコンテンツには「雑でいい」と「みんなで共有したい」といった今の杏の想いが込められていることがわかった。
――まずは、新たに始まるポッドキャストの番組を立ち上げた経緯から教えてください。
私は歴史が好きなのですが、それは年号や人物の名前を覚えるという「点」ではなくて、自分と何か繋がりがあるかもしれないという「線」で考えることが好きなんです。たとえば日常生活の中でも、公園ってどんな歴史があるんだろうとか、そこに生えてる樹木はなぜ植えられたんだろうとか、この街はどんな経緯で今の姿になったんだろうとか、よく思いを巡らせていて。今回の番組では、そういった背後にある数珠つなぎのストーリーを紐解いたり、専門家の方にお話を伺ったりして、起源を探る旅みたいなことをしたいと思っています。
――物事のルーツを辿ることがお好きなのですね。
そうなんです。もともと一ジャンルの歴史について書かれた本がすごく好きで、たとえば、ゴマだけの本とかあるんですよ(笑)。ほかにも色々なジャンルに特化した歴史の本があって、読むだけでも楽しいんですけど、私がその本から何を感じたかをみんなにも伝えたいと考えたんです。
――杏さんといえば、“歴女”としても有名です。たらればの話になりますが、対談してみたい歴史上の人物などはいますか。
それはすごい面白いですね。江戸時代の人も気になるんですけど、戦国時代くらいまで遡ると発音記号もだいぶ違うので、どういった話し方をされているのか、どれくらい話が通じるのか確かめてみたいです。
――Amazonオーディブルには「声の力を最大限に解き放つ(Power of Voice)」というコンセプトがありますが、杏さんが声の力を感じる瞬間はどんな時でしょうか。
子どもたちを見てても、文字より先に音で色々なことを覚えているんですよね。それだけ声の力は大きいものですし、また、言葉は水のように流れるものだとも思います。だからこそ、いかに良質な“水”を子どもたちという植えた種に撒いてあげられるか、日頃意識しています。
――ここまでお話を伺っていると、杏さんは大変好奇心が旺盛なように感じます。
私にとって、わからないことがわかった時の快感や、知らないことを知った時の面白みが何よりのエンターテイメントなんです。日ごろから、街を歩いていてもちょっと気になる看板や石碑があれば読みに行ったり、ロケバスで知らない場所があったら地図を開いて何があるのか確認したりしていて。そんなふうに、自然と興味を持ったものを楽しく学んでいます。