そしてやはりというか、ヒロイン・花枝ちゃんを演じている清原果耶さんの演技には脱帽です。「おかえりモネ」(2021年、NHK総合ほか)を見ていたので知っているつもりでしたが、改めて本当にすごい女優さんだなって。モネのときとはまた違う等身大の女の子を演じていて、それが声色で分かるんです。第1話で児童養護施設の食堂で朝ご飯を食べているときにしっかり者の女子高生にめちゃくちゃ言われたときの流し方とか、声のトーンとか、まさにこれ!っていう感じました。この世代の子たちはみんな、そうそうと共感したくなるところがあるんじゃないかな。
あとずっと聞いていた曲を作った芦田と会ったときの感じも、あるある!って思って。僕もツアーのときとかに1人でその土地の商店街とかを散歩していると、ありがたいことに握手やサインを求められたりすることがあるんです。で、意外と多いのが、その場ではすごくクールに「ありがとうございます」みたいな感じなんだけど、角を曲がった途端に、「ヤバっ!」って喜んでいる女の子。あの1人になって改めて喜ぶ感じは、今の子っぽい。まぁ清原さん自身が若いというのもありますが、そういう若い子の心境をしっかりと演じているのが本当に素晴らしいです。まさに“等身大of等身大”というか(笑)。火曜夜10時枠を楽しみにしていた世代に刺さるお芝居になっていると感じました。
そして忘れちゃいけないのが空手の型ですね。僕は10年くらい空手をやっていたのですが、第1話で彼女が見せた型は本当にきれいでびっくり。あれは黒帯にならないと教えてもらえないくらいすごく難しい型なのですが、それを手の形まできれいにやられていて…。それを見ただけでこの子は天才!って分かりました。“モネ”は本当の天才だったんだって(笑)。“朝ドラ女優”はさすがです。この役もハマると思いますが、今後、もっとどえらいハマり役がくるような気がしました。そんな彼女の“今”の演技が見られるのは本当に贅沢です。
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