BLUE ENCOUNTの田邊駿一「ファイトソング」をバンドマン視点で語る!「僕の心に刺さるモノがたくさんある」<ドラマコラム連載第6回>

2022/02/14 09:00 配信

ドラマ コラム

「ファイトソング」第4話場面カット (C)TBS


芦田が花枝にすぐに告白した気持ちも分かります


そんな“今”がいっぱい散りばめられている物語ですが、実は僕の心に刺さるモノもたくさんあって…。花枝ちゃんが芦田に「この曲以外は聞かない、これ以外は音楽じゃない」と言うシーンがありますが、曲を作っている人間としてはかなりグッときました。実は僕も最近、同じような気持ちを味わったんです。僕らの音楽を好きなご夫婦がいるんですが、この前生まれたお子さんに僕の名前を付けたというエピソードを話してくれて、「自分たちの音楽の中心はBLUE ENCOUNTです」って言ってださったんです。そのとき、僕らがもがいて、命懸けで作った曲がちゃんと届いていたんだなってめちゃくちゃうれしくなりました。きっと芦田も同じ気持ちだったと思います。

もちろんCDや配信の売り上げなど数字が教えてくれるものもあるのですが、それとは違う、“届いた”をリアルに実感できるというか。それを言われたときの「生きていて良かった」と思う瞬間は本当に掛けがえのないものだと思います。僕は高校生のころから曲作りをするとき、基本、誰も聞いていないというネガティブな感覚がどこかにあるんです。だからこそ僕はメンバーが喜ぶ曲を作ろうと思っているんですが、それがちゃんと他の人にも届いていると分かるなんて…。こんなうれしいことはないです。きっと芦田も同じ気持ちだったと思います。

なので、芦田が花枝にすぐに告白した気持ちも分かります。もちろんドラマなのでかなり飛躍していますが、僕も「聞いています」と言われたらご飯をおごりたい!と思うくらいその人との距離が近くなるので(笑)。「こいついいヤツだな、生かしてくれてありがとう」という気持ちなんです。

なんか自分のことも含めていろいろ書いちゃいましたが、もっと語れるくらい、とても自分に刺さるドラマです。芦田が花枝ちゃんと恋愛してどういう曲を作るのか…。そして花枝ちゃんの耳の病気はどうなるのか、また花枝ちゃんがもう一度立ち上がり空手をやるのか…。気になることだらけです。見た後、嫌な思いをしない物語。恋愛のみならず、登場人物みんな面白くてコミカルなテイストになっています。今からでも間に合うので、ぜひ楽しんでください!