――今作には7人の女優さん(伊藤万理華、安達祐実、臼田あさ美、室井滋、夏子、中田青渚、成海璃子)がゲスト出演されていますが、共演して印象的だったことはありますか。
ゲストの方と一緒にお風呂に入るシーンがあったのですが、同じお湯に漬かっていると自然と距離感が縮む感じがするんですよ。外で話していたときよりも近い距離感で話せるなって、銭湯が持っている“人を近づける力”みたいなものを他の役者さんとの共演の中で感じました。
――他に今回の撮影で印象的だったことはありますか。
「銭湯図解」を原案にした作品なので、私が図解を描くために銭湯へ取材をしに行くというシーンがあるんですけど、そこは完全にフリー(演技)で、本当に取材をしている姿をドキュメンタリーみたいに撮っていたんです。
だから、その場でする質問や感想も自分で本当に思ったことを言ったり、銭湯の中を回る順序も決まっていなくてその場の流れでやっていったり…取材のシーンは純粋に面白かったです。本当の取材者になったつもりでやってました。
――普通のドラマの撮影だと照明の位置とかしっかり決まってますけど、フリーだとそれができないですよね。
そうなんですよ。画のために作りこまれるみたいなことがなくて。だからカメラマンさんや録音エンジニアの方もこっそりついて来て、見守ってくださっているような感じでした。
撮る時は流れを大事にしていて、とにかく気持ちや時間が途切れないように撮っていただいたのが、ドラマとしてはすごくぜいたくなことだなって思いました。
――そうやって撮影した映像は少しざらっとした感じのする、ノスタルジーを感じさせるような仕上がりになっていますが、その点はいかがでしょうか。
本当にこのドラマは、今のドラマのトレンドみたいなものにとことん逆行してやっていく作品なんだと感じました。
ドキュメンタリーみたいに撮るっていうこともそうですし、色味1つ取っても、今ってすごくきれいにというか、デジタルのつるっとした感じで撮るじゃないですか。そこをあえてざらざらさせていくんだなって。
でも、それって銭湯という場所に通じるものがあると思っていて。銭湯ってずっと古くから受け継がれてきた場所じゃないですか。そういうものの良さとか、そういうものだから醸し出せる味みたいなものを大切にしているドラマなので、色味もそうやって寄せていったのかなって思います。
――情報解禁時に他の媒体で「2022年は銭湯・温泉女優としてやっていきたい」というコメントもありましたが、具体的にこういうことをやりたいというのはありますか。
私、単純に冬がすごく苦手なので、寒い季節の撮影ってつらいんですけど、今回の「湯あがりスケッチ」は12月の撮影だったけど、2日に1回くらいは撮影で銭湯に入れていたので温かくて(笑)。
撮影中に体が温まるし、キャストの方とも距離が縮まるし、銭湯ってめちゃめちゃいいなって本当に撮影しながら体感していたので、銭湯に入れる撮影はどんどんやりたいですね(笑)。
――旅番組のオファーとか来たらいいですね(笑)。
いいですね、散歩番組とかで銭湯に行けたら最高です(笑)。
――日常の中で銭湯に行きたくなるのはどんな時ですか。
月2〜3回くらいでは行くんですけど、銭湯って本当に街中にぽつんってあるじゃないですか。知らない街を散歩していて、銭湯があったら「行ってみよ」ってなりますし、タオルとかも借りられて手ぶらでも行ける気軽さがあるので、見かけたらつい行きたくなります。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)