劇団EXILEの青柳翔とEXILEのAKIRA、錦織良成監督が現地時間19日の夜、台湾・台北市で映画「たたら侍」(5月20日全国公開)の台湾プレミアを行い、レッドカーペットに登場した。AKIRAは「很高興跟大家見面(ヘンガウシンゲンダージャージェンミェン=みんなに会えて嬉しいです)!」と、流暢な北京語であいさつ。現地ファンからは「キャアアッ!」と日本同様の黄色い大歓声が響き渡った。
会場となった「台北信義威秀影城」(ヴィショー・シネマズ)は、台湾のシンボル「台北101」に隣接する台北最大級の映画館。この日の台北は、朝から時折雨が降る天気模様だった。イベント開始1時間前にタイミングよく雨が上がった会場では、400人のファンが熱烈歓迎。雨上がりの蒸し暑さと、観客の熱気に包まれたレッドカーペットで、青柳とAKIRAは汗を拭いながらも時間をかけてサインに応じるなど、殺到したファンとの触れ合いを楽しんだ。今回、2度目の訪台となった青柳は「『たたら侍』がこうして台湾で上映されることを嬉しく思いますし、多くの方々が来場してくれて嬉しかった」と現地の反応を喜んだ。
レッドカーペット後のセレモニーでは、映画やドラマで活躍する台湾の人気女優シェ・シンインがゲスト出演。第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にも出品され、シェ自身も出演する台湾映画「黒衣の刺客」(こくいのしきゃく)の劇中で使用された、中国産の短刀がAKIRAに贈呈された。また、会場には来ることができなかったが、今年2月にベルリン国際映画祭に出品された、映画「ミスター・ロン」で青柳と共演をした台湾のトップスターのチャン・チェンから、青柳に花束が贈呈。思いもよらぬサプライズにAKIRAは「台湾の俳優さんも足を運んで盛り上げてくれて、本当に素晴らしいスタートが切れた」と感慨の思いを語った。
プレミア上映では220席が即完売。会場は満席となった。上映後の舞台挨拶では、司会者が客席に「みなさん、映画は面白かったですか!?」と呼び掛けると、「イェイ!」「素晴らしい!」と絶賛を浴び、日本の文化や歴史に興味を持った現地ファンから多くの質問が飛び交った。イベントを終えたAKIRAは「色んな捉え方で『たたら侍』を楽しんでくれているのを肌で感じましたし、日本の文化や歴史に大変興味を持ってくれているのを感じた」と手応えを口にし、「改めて『たたら侍』を通じコミュニケーションを図ることによって、台湾と日本に通ずる精神や魂が生まれたら嬉しい」と願った。
青柳やAKIRAが所属するLDHは、今年からアメリカ・ヨーロッパ・アジアに拠点を設置し世界展開を進めている。なかでも台湾は、2009年にLDHグループが運営するダンス&ボーカル・アクトスクール「EXILE PROFESSIONAL GYM台北校」を開校するなど、かねてより関係が深い。またEXILEは「放浪兄弟」と称され人気を集め、昨年末にはEXILE HIROが企画プロデュースを手掛ける総合エンターテインメント・プロジェクト「HiGH&LOW」も公開。現地の映画関係者は「近年、音楽だけでなく映画も韓国の作品が増えてきているが、日本映画は変わらず人気。先日台湾で公開された『HiGH&LOW』シリーズなど、EXILE TRIBEが出演する映画は台湾の若い子たちにも人気があります」と話した。この日も取材に現地メディアが20媒体以上集まるなど、異国の地でも注目の高さを示した。さらに5月19日から今作の台湾配給も決定。
「たたら侍」は戦国時代中世の奥出雲の村を舞台に、伝統を継承し守ることを宿命付けられた青柳演じる青年が、葛藤や挫折を通して真の「侍」へと成長していく姿を描いた、原作なしの本格時代劇映画。EXILE HIROが映画初プロデュースを手掛け、青柳、AKIRAのほか、EXILE/三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの小林直己、さらには津川雅彦、奈良岡朋子、笹野高史、宮崎美子といった豪華俳優陣が集結。昨年開催された世界三大映画祭のひとつ、モントリオール世界映画祭の最優秀芸術賞受賞をはじめ、アメリカやイギリスなど世界7か国の映画祭で計16の賞を受賞するなど、世界各国で高い評価を得ている。青柳は「古き良き日本の美しい景色や、たたら吹きという伝統を多くの方に知ってもらいたい」と思いを口にし、続けてAKIRAも「この『たたら侍』はJAPAN PRIDEというテーマを掲げており"世界へ"という目標もありますが、1番は現代の日本の方々に、たたら侍の精神やこの作品のメッセージが届いてくれることが嬉しいので、多くの方に観ていただきたい」とアピールした。
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