内田雄馬、勇気をもらった先輩の言葉を告白「デビュー当時は、ここまで生き残ってないだろうと思ってました」<Interview>

内田雄馬 撮影=富田一也/スタイリスト=奥村渉/ヘア&メーク=花嶋麻希

焦っていた時期に掛けられた言葉に、力と勇気をもらった

――ライブの幕間VTRは、榎木淳弥さんとのドライブでした。共演の多い関係ですが、榎木さんは内田さんにとってどんな存在ですか?
素直に友達ですね。淳弥くんとはここ3~4年、ずっと一緒にいるんです。「呪術廻戦」のイメージが強いと思いますが、「この音とまれ!」(2019年、TOKYO MXほか)以来、毎クール何かしらで共演していて。デビューした時期が近いので、一緒に戦っている同世代の仲間だし、2人でいると居心地がいいんです。

――声優としては、どう見ていますか?
尊敬しかないです。持っているものを全て生かして、揺るぎなく作品に向き合って現場に来る人なので安心感もあるし、新しいことにもチャレンジし続けている。僕があまり選択しないアプローチを彼はたくさん持っているけど、それに縛られるんじゃなく、現場での瞬発力もあります。掛け合いを重視する役者さんなので、彼とずっと一緒に掛け合いしていける役者でいたいですね。

――そんな内田さん自身も、声優としてのキャリアが10年目に突入しました。ここまで走り続けた感想は?
生き残っていてよかったな、と(笑)。デビュー当時はここまで生き残ってないだろうと思ってましたから。ですが今も「来年は仕事があるか分からない」という考えは変わっていません。
昔は、まずはアニメの仕事が1本決まらなきゃどうにもならない、とめちゃくちゃ焦っていました。ありがたいことに2年目で「ガンダムビルドファイターズトライ」(2014年~2015年、テレビ東京系) のメインキャラクターのお仕事をいただけましたが、そうなるまでは事務所に顔を出したり、いろんな人と話すようにしていました。
その時期に、先輩の日笠陽子さんから「オーディションは100個受けて1個受かったら“よかった”って思うレベルだから、落ち込まずに一つ一つ頑張っていけばいいよ」と言われたんです。この言葉は、力と勇気になりましたね。今もその精神でいるし、キャラクターにハマるかどうかは本当に運の要素も大きい。起用していただいた役は、たまたまそのときに僕がハマったということだと思うんです。
だからこそ、仕事で携わった全ての方に対して感謝を忘れずにいようというスタンスは、ずっと変わっていません。

――ここまでの道程で、転機はありましたか?
どの作品も、転機だったと思います。全ての作品に思い入れがあるし、その巡り合わせで自分が変化していると思うので。ただアーティストデビューしたことは、明確な転機かも。そうなるとは想像もしていなかったし、声を掛けてもらわなければ実現していないことですから。