「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021」の完成報告会が2月20日に都内で開催され、俳優の松岡茉優がミルクボーイ(内海崇、駒場孝)、山口晋監督と共に登壇した。
1985年に公開となった「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争」のリメーク作品でありながら、新しい脚本と現在の最新技術を駆使し、さまざまな進化を遂げた作品となっている本作。
オリジナルキャラクターの“ピイナ”の声を担当した松岡は、「私の親の世代、今リアルタイムで見ていらっしゃるお子さんからしたら、おじいちゃんおばあちゃんの世代からも長く愛されている作品なので、『私に務まるのかな?』っていう不安もあったんですけど、(オファーをもらった時は)『やったー!』って電話越しに言ってしまいました(笑)」と本作に参加できた喜びを伝えた。
「監督や演出の方から『優しいだけじゃなくて、強くてたくましい女性を演じてほしい』とおっしゃっていただいたので、たくさんテイクを重ねました。『こういうふうにやってみましょう』とか『こういう声は出せますか?』とか、普段声のお仕事をしていない私に手取り足取り教えてくださって励みになりました」とアフレコ時を振り返った。
山口監督は「女優魂的なものをいただいたと思っています。甘くてかわいいだけの声ではこのキャラクターは務まらないので、背骨のある筋の通った声でお芝居していただけてうれしかった」と太鼓判を押した。
新型コロナウイルスの影響で公開は1年延期となっていた。「夏休みに公開できるかな?といううわさもあって、夏の大冒険なのでリアルタイムに楽しめる時期がいいなって思ったりしたんですけど、今回改めて作品を見返した時に、“一歩踏み出す勇気”とか“あきらめない気持ち”とか“仲間との絆”とか、進学や就職などがある春、今の時期にピッタリだなって思いました。3月4日公開なので、これを見てもらって、パワーをチャージして、新学期・新生活を頑張る勇気になってほしいなって思います」と今の気持ちを語った。
ここで、ドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫が応援に駆けつけ、ステージに登場。しずかから「映画の中で、私たちはパピくんのサイズに合わせてスモールライトで小さくなって遊んだりしたの。小さくなったらどんなことがしたいですか?」と質問された松岡は「磯部もちが大好きなんですけど、おもちの上でバウンドしながら食べたいです(笑)」と返答。
スネ夫に「松岡さん、いえ、まゆまゆに質問です! 今回、僕たちは宇宙で大冒険をしたんですけど、僕たちの中の誰かと宇宙旅行に行けるとしたら誰と行きたいですか?」と聞かれると、松岡が悩む。すると、スネ夫が「土地とコネをたくさん持っている僕が選ばれると思うんですけど」と、ジャイアンが「男らしいオレ様が選ばれる!」と、のび太が「僕が選ばれる可能性もあるじゃないか!」と、しずかが「女の子同士、宇宙でおいしいものを食べるのはどうかしら?」と、それぞれ強烈にアピールした。
悩んだ末に「スネ夫」と答えを出した松岡は「土地とコネは関係ないんですけど(笑)、今作で私はスネ夫くんに励まされたシーンがありました。迷ったり、戸惑ったりするところを隠さずに見せてくれたんです。きっと一緒に宇宙旅行に行っても、弱音を吐き合えるんじゃないかと思ったので」と理由を告白。スネ夫が「まゆまゆ、プロポーズと受け取っていい?」と舞い上がるが、内海に「早い、早い!」とツッコまれ、「お友達からよろしくお願いします!」と言い直した。
最後に、見てほしいシーンとして「今言ったスネ夫くんが戸惑う姿を見せてくれたシーンは励まされたし、親近感が湧いたので見てほしいんですけど、もう一つ、春にピッタリなシーンがあって、それは絶対に劇場で見てほしいから、私の口からそのせりふは言いませんけど、のび太くんがパピにかける言葉があるんです。人それぞれにできることとできないことがあって、そこで私は私でいいんだなって勇気をもらったので、新生活にドキドキしているみなさんにも見てもらって、『あ、このままでいいんだ。誰かと一緒に頑張れるから』って感じてくれたらいいなって思っています」と答え締めくくった。
「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」は3月4日(金)より全国東宝系にて公開。
◆取材・文=田中隆信