本郷奏多、“朝ドラ”初出演への思い「先代の人たちの思いを継いで、責任を持って丁寧に演じていければ」<カムカムエヴリバディ>

川栄李奈は「失敗している姿を見たことがない」


――演じる五十嵐は、時代劇に憧れ、スターを夢見て京都にやってきたものの、上下関係が厳しい撮影所の男社会になじめずにいる青年です。

本郷:五十嵐は、夢のために一生懸命努力するすごく真面目な面があります。そういう前を向いて頑張っている姿は、ちょっと自分とかぶりますね。僕も仕事に対しては真面目なので(笑)。ただ、彼の不器用さは見ていてちょっとハラハラするというか…。僕はどちらかという世渡り上手な方だと思うので、五十嵐にも僕の器用さを少し分けられたらと(笑)。

――五十嵐は大部屋俳優なので、さまざまな役になって劇中劇に出演しますね。

本郷:武士や町人だったりと、かつらをかぶっていろんな扮装をしていきます。それが大変でもあり面白くって。あと殺陣にもチャレンジさせていただいて。こちらも楽しいですね。ちなみにこれまでドラマの世界では、時代劇はテレビや映画の中の世界でしたが、ここで身近な存在になっていきます。ひなたが時代劇俳優を見てはしゃぐように、視聴者の皆さんも、「モモケン(尾上菊之助)だ!」みたいな感覚で映画村の人を見ていただけたら、より楽しめると思います。

――ひなたと五十嵐の今後の関係も気になるところです。

本郷:絶対気になっているのだけど、わざと悪口を言っちゃうみたいなエピソードが多いですね。小さい男の子と女の子がケンカをして、その姿を周りの人がかわいいと思っているみたいな…。どこかほほ笑ましいに近い関係だと思います。かみ合っているのかかみ合っていないのか、そんな2人の関係を楽しんでもらえたら。

――ひなたを演じる川栄李奈さんの印象はいかがですか?

本郷:日数を重ねるたびに思うのは、めちゃくちゃ真面目で、仕事に対しての考え方がストイックだということ。彼女が何か失敗している姿は見たことがないくらい、素晴らしいんですよ。努力をしているけど、それを感じさせない立ち居振る舞いとか、非常に尊敬できる方です。そして、どこか仕事に対する考え方が似ているところもあって…。一緒にいて居心地がいい空気感が漂っています。そんな2人がどんなひなたと五十嵐を演じていくのか。ぜひ楽しんでください。

取材・文=玉置晴子