――「カムカムエヴリバディ」に出演することが決まったときのお気持ちは?
とてもうれしかったですね。“朝ドラ”は日本中の家庭で朝の風景の一部となっていますし、私自身も日常で子どもが学校に行く準備を手伝いながら見ています。そういう国民的なドラマに出演できるというのは本当に光栄です。ふだん私が出演する作品についてあまり感想を言わない家族も今回は「すごいね! 良かったね!」と珍しく反応してくれました(笑)。またこれまで私の作品をあまり観てこられなかった方たちや“朝ドラ”のファンの方々からもコメントいただいたりもして、その影響力に改めて驚いています。
――女優の美咲すみれという役の印象はいかがですか?
性格が悪いわけではないと思うのですが、ちょっとこじらせていて(笑)、プライドも高いし、自分の置かれた立場を素直に受け入れられないところがある、そういった哀愁みたいなものをすごく感じました。芝居に対しても、台本のセリフにびっしりと書き込みをするなど、裏では努力していますが、ただそういう姿を人に見せない。自分が努力しているほどには評価されていないというもどかしさを、ずっと抱えて生きてきた。もろい部分を持っていてそうしたもろさが垣間(かいま)見えるけれど、それを隠そうと強がってしまったり、鎧を身につけて過ごしてきたんだと思います。そうしたもろさが透けて見える人間像を作れたらすてきな人物になるかなと感じています。
ただあまりお芝居が上手ではないという女優の役どころなので、かえって難しいですね。台本に“棒読みで”とあるのですが、どの程度の下手さで演じればいいのか、どこまでやればいいのか悩んでいます(笑)。
――カムカムエヴリバディの台本を読んでの感想や三代目ヒロインへの思いをお聞かせください。
どのヒロインもそうですが、まっすぐで前向きで純粋な心をもって生きている美しさがあると感じています。三代目ヒロインの川栄李奈さんは以前に共演したときも思いましたが、ふだんは静かだけれど、心の中にふつふつと熱いものを持っていて、それがお芝居にすごく出てくる方だなと思っていて。今回のドラマでも情熱や真摯な感情の爆発力を存分に発揮してくれるのを見るのが楽しみです。ひなたもとてもまっすぐな人。憧れていた女優のすみれに失礼だと捉えかねない発言をするけれど、それもまっすぐさゆえの行動です。