――自身が演じたキャラクターの印象、役作りで苦労したことを教えてください。
榎木:僕が演じた空知は元気で気のいいヤツなんだけど、倉持さんを好きすぎるあまりつるたまにキツいことを言ってしまったり、素直じゃない部分もあります。かわいいヤツだな、と思って演じていましたね。役作りは自分がどうこうというより、堀田さん演じるつるたまの空気感に合わせるところが一番難しかったです。僕の演技だとどうしても声優っぽい質感になってしまうので、なるべく整っていない感じにして、そこが魅力的に聞こえればいいかなと意識していました。アフレコ中もなるべく堀田さんの顔を見ながら演じましたね。
堀田:つるたまは笑ったり泣いたり怒ったりと表情がコロコロ変わるので、それを声で表現するのは難しかったんですけど、真っすぐな部分はとてもすてきで、演じていてもっと好きになるキャラクターでした。苦労した面は、全てが初めてなので逆に何がわからないのかがわからないくらいでしたが(笑)、技術がないからこそ思うまま感情に乗せよう、それだけを意識しました。すごく一生懸命な子なので、自分も一生懸命になればつながるんじゃないかと、あまり深くは考えず感じるままに演じて、周りのみなさんにすごく助けていただきました。
島崎:学生の頃って、ちょっと年上の人がすごく大人に見えたりしますよね。倉持はいろいろと事情を抱えていて苦労をしていますが、それをあまり表に出さない人。しかも年上の先輩なので、演じる上ではちょっとミステリアスさを意識しました。謎めいた人って魅力的だし、感情をあまり見せないから大人にも見える。とはいえ彼はまだ大学生で、もっと大人から見たらまだまだ青い部分があるところは大事にしていきたいと思いました。周りから見た彼と、本人の中でうごめいている生身の彼の違いは、大事にしたいと。
苦労に関しては…、作品内のバランスや空気感で、お芝居がすごく変わるんですよね。ざっくり言うと、デフォルメをどれくらいするか、どれくらい整えるのかとか。最初は先輩として存在する倉持が、話が進むにつれてつるたまと目線が近くなっていきます。そこはつるたまと同列っぽく聞こえなきゃいけないし、でも先輩なので整っていてもいい部分もあったりして。そのあんばいは考えますが、結局は現場の肌感覚で演じました。一緒にアフレコできた役者さんたちはすごく表現が伝わってくる人たちだったので、楽しんでやらせてもらっています。
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