第110回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞では、大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)で、徳川慶喜を演じた草なぎ剛が助演男優賞に輝いた。大河ドラマで初レギュラー出演の草なぎは、「最後の将軍の悲哀と孤独を繊細に表現」「栄一と好対照の諦観を見せた」と視聴者から高く評価された。
受賞を受けて、「主演の吉沢亮くんとダブル受賞、ありがとうございます。大河ドラマ『青天を衝け』がいいドラマだったということですね。応援してくれた方に感謝の気持ちを届けたいです。大河ドラマは1年以上も関わるので、今回の助演男優賞受賞はそのご褒美かな」と喜びをかみ締めた。
演じた慶喜については、「戦の最中に江戸に戻ってしまうようなミステリアスな将軍で、決して派手ではないけれど、人間らしい魅力的な人物だったと思います」と振り返り、「謹慎中で父・斉昭(竹中直人)の死に目に会えなかったこと、家臣の円四郎(堤真一)の死。前半は悲しい別れが多かったな。そんな若い将軍の時代より、大政奉還を経て隠居生活を送る、枯れてきた慶喜の方が僕は演じやすかった気がします」と明かした。
また、主演の吉沢亮との共演については、「役作りではなく、栄一(吉沢亮)との掛け合いの中で瞬間瞬間、心が熱くなるものがあって、そういうものが素直に表現できたかなと」と心に残ったという。さらに、「大森美香さんの脚本も素晴らしかったですね。最後のシーンで、栄一に慶喜が言った『楽しかったな…快なり』は、作品をやり遂げた僕自身の今の気持ちでもあります」と視聴者からの反響も高かった最後のセリフについても語っている。
(取材・文=吉野千絵)
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