【漫画】コミュ力の低い器用貧乏 × 世渡り上手な愛されキャラ。2人の女性会社員の関係を描いた漫画が話題

2022/03/12 09:30 配信

芸能一般 インタビュー コミック

不器用×世渡り上手の2人の関係性に注目『隣の紀陽さん』 画像提供/みこまる

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、みこまるさんの描いた『隣の紀陽さん』を紹介。本作は人当たりがよく世渡り上手な女性社員と、なんでもこなせるのに人との付き合い方に関しては不器用な同僚の2人がひょんなことからお互いのことを少しづつ好きになっていく様子を描いた創作漫画。Twitterで作品を投稿した際には、1万以上の「いいね」と、多くの感想コメントが寄せられた。この記事ではみこまるさんにインタビューし、作品へのこだわりなどを伺った。

恋のライバルがいつしか運命の人に…。でこぼこコンビの関係にほっこり

『隣の紀陽さん』より 画像提供/みこまる

イベント会社に所属する吉峰小織は、「おんなの幸せは働かずに暮らすこと」と考える26歳。将来結婚するのに有望な相手探しと恋愛のライバルになりそうな女性のリサーチには余念がない。あるとき男性社員の「あの人美人じゃない?」の一言から、隣の席に座っている紀陽さんのことがなんとなく気になるように。

一方の紀陽さんは黒髪黒メガネの地味系女子で、会社の飲み会にも全く参加しない超真面目な性格。美人で仕事が早く、飲食店並みのクオリティの手作り弁当を持ってくるほどの女子力の高さを持ちながらも、人の良さと頼まれたら断れない性格から、周りに利用されてしまうこともしばしば。本人も周囲にいいように使われていることに気が付いていたが、そのような扱いを幼いころから受けてきたことで、人と深く関わることを諦め、避けるようになってしまっていた。

あるとき、小織が展示会のブースの手配を忘れてしまい、紀陽さんと陳列ケースをDIYで制作することに。DIY未経験の小織は苦労しつつも、紀陽さんに教えてもらいながら何とか棚を完成させる。DIYを通してお互いのいいところを認識した2人。人付き合いは苦手で寡黙なタイプだが、ひとりで何でも器用にやり切る紀陽さんと、いつも明るく自分の考えや気持ちに素直な一方で、人から好かれるよう立ち振る舞う打算的な一面もある小織。

性格も得意なことも全く違うでこぼこコンビが少しづつ惹かれ合っていく様子にTwitterでは「ほっこりするような展開」「続きが読みたい…!」など多くの感想が寄せられている。

「明日も見たい!」と思ってもらえるように。作者・みこまるさんのこだわりとは

『隣の紀陽さん』より 画像提供/みこまる

ーー本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
今まではエッセイ中心の漫画を描いており、そろそろ創作漫画に挑戦してみようと、何か描けるテーマはないかなと考えていました。自分の得意なDIYなら何か描けるかもしれないと思い、DIYをする人物が出てくる漫画にしようと思ったのがきっかけです。あと、随分前に「手先は器用、人生不器用」なキャラがいたらなんか面白いなとぼんやり考えていて、テーマ的にぴったりかなとこのキャラに活躍してもらおうとも思いました。

ーー本作に登場する紀陽さんと吉峰さんのキャラクターや、関係性が非常に魅力的です。モデルや参考にした作品や人物などはありますか?
ありがとうございます。モデルは特にいませんが、強いて言うならば紀陽さんの「手先は器用だけど、人生不器用」なところは自分に少しあると思います。割となんでもそこそこ出来てしまうところ、一人が好きなところなど。逆に吉峰さんは、私にないところを持っている人物。人とのコミュニケーションが上手くて、キラキラしている。クヨクヨしない。少し、憧れのような気持ちが無いでもありません。

ーー本作を描くにあたって、こだわった点や工夫したポイントはありますか?
もともとこちらは1日1回Twitterにアップしていたもので、1日で無理なく進められる分量ということで4コマにしていました。工夫した点は、「明日も見たい!」と思ってもらえるように4コマ目に少し引きのような、気になる展開を持って来たりしました。毎回そうだと鬱陶しいので、たまに。

ーー「クニエ漫画グランプリ2021」で発表されていた「田端、明日は売るつもり!」も車メーカーの職場を舞台にした作品ですが、いわゆる「お仕事もの」を描く理由はありますか?
あまり気にしてはいなかったのですが、私自身が30代ですので、必然的に仕事の話や職場を舞台にした作品になるのかもしれません。ですが私自身は実はあまり社会人としての経験がありません…。

ーー本作の中で特に好きなシーン、思い入れのあるエピソードがあればお教えください?
今見返して見ると、好きなシーンはたくさんあります。毎日描いていく中で、自分でも二人の掛け合いを楽しんでいたようです。特にと言われれば…43の「愛か隔たりか」と、47で出てくる伸びる衝立を隔ての攻防でしょうか…。今見ると漫才してるなこの2人…と思います。

ーー最後に、ファンや読者にメッセージがあればお願いします。
『隣の紀陽さん』をご覧いただきましてありがとうございます。予想以上にたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。続きはぼんやりとは考えておりますので、また読んでくださる方がいればお届けできればと思います。