“つるたま”は、航空部への入部をきっかけに人生ががらりと変わるが、もし2人が、大学で好きなサークルに入るとしたら?
島崎「僕は高卒なので、まずサークルに憧れがあるんです。サークル・キャンパスライフ・講義・単位・新歓コンパ!」
榎木「…そんないいものでもないよ?(笑) 必修とか、単位を落とせないから大変だし。でもサークルは確かに、楽しいかもしれない」
島崎「榎木くんは、何に入ってたの?」
榎木「高校から続けてた剣道部だけど、本当は高校時代も辞めたかったくらいなので(笑)。本音は文芸部みたいな、図書館で静かに本を読むようなサークルに入りたかったなぁ。動きたくないから(笑)」
島崎「僕はテーブルトークロールプレイングゲームが好きなので、大学に進学していたらTRPGサークルに入りたかった。人数と時間が必要なゲームなんだけど、大学のサークルなら毎日できるんじゃないかなと」
榎木「確かにできそう」
島崎「TRPGって、プレー記録が後に創作物として世に出る例もあるくらい、意外とクリエーティブだし。役を演じるゲームだから、声優同士でやってみたいかも」
榎木「面白いけど、プレーが濃くなりそうだな(笑)」
彼らの理想とは少し違うかもしれないが、今作でも“大学生の青春”がたっぷり描かれている。
島崎「僕もグライダーに乗ってみたい、こういう景色を見てみたいなと思いました。作品を見て同じ経験をしたくなるって、とてもいい作品だと思うんです。それでありながら、しっかりと考えさせられるお話でもある。爽やかだけじゃ終わらないというか」
榎木「原作も絵柄の淡い雰囲気がありつつ、苦さも感じられて、心に染み込んでくる物語ですよね」
島崎「そのステキな原作を、素晴らしいクオリティーでアニメーションにしていると思います。制作側としても『いいものができた』と思っているし、それが伝わる作品になっているんじゃないかな」
榎木「映画館みたいな、広いけど閉ざされた空間でこの作品を見たら、空の広さを感じて世界観に没入できると思います。ぜひ劇場で見ていただけたら、うれしいです」
※島崎信長の「崎」は正しくは「たつさき」
取材・文=篠崎美緒