次々と話題作を生み出す廣木隆一監督が“どうしても映画化したかった”とまで思い入れる新作映画「彼女の人生は間違いじゃない」が7月15日に公開されることがわかった。主演は、映画「日本で一番悪い奴ら」(2016年)などで知られる女優・瀧内公美が務める。
映画「ストロボ・エッジ」(2015年)や公開中の「PとJK」などが話題の廣木氏。同時に、映画「ヴァイブレータ」(2003年)や「さよなら歌舞伎町」(2015年)では自分の居場所を探し求める大人たちの愛と衝突を描き出してきた。「彼女の人生は―」は、そんな廣木監督自身の処女小説が原作で、廣木氏自身が映画化を切望したもの。震災から5年後が経過した福島を舞台に、週末になると高速バスで福島から渋谷へ、デリヘルのアルバイトをしにいく市役所職員・みゆきの日常の描写を通して、今の時代を生きる一人の女性が悩みもがきながら光を探し続ける姿を描く。
自らも福島県出身の廣木監督は、「朝起きて何気ない毎日が始まることと思っていた。5年という歳月はあっという間に過ぎていく。そんな時代に生まれた僕らの記憶と記録。今を生きている僕らの映画にしたかった。大げさに何かを言うのではなく、何かを伝えられる映画というものを信じるための映画にしたかった」と、作品に込めた思いを語る。
主人公・みゆきを演じる瀧内は、1989年10月21日生まれ、富山県出身の27歳。大学4年時に地元で映画の撮影に携わったことをきっかけに芸能活動を開始。その後わずか半年で映画「グレイトフルデッド」(2014年)の主演に抜擢され、その後も映画「ソレダケ/that's it」「BAR神風~誤魔化しドライブ~」(ともに2015年)などに立て続けに出演。2016年には大阪の人気ガールズバンド・yonigeの曲をモチーフにした映画「夜、逃げる」で主演したほか、綾野剛主演の映画「日本で一番悪い奴ら」で婦人警官を演じるなど、今注目の女優の一人だ。
「彼女の人生は―」の撮影中は、役になりきるため一度も家に帰らなかったという瀧内。「今でも撮影していた時のことを思い出すと、溢れそうな想いに胸がいっぱいになります。私は福島出身ではありません。その私がこの題材を表現することが出来るのか、緊張して棒人間になっていた私に、『これは福島だけの話じゃない』と言ってくださった廣木監督の言葉が、私に前を向かせてくれました」と振り返り、「今の福島を見て聞いて感じて、撮影中、ずっと心が止まったり動いたり、無になったり、感じることを止めたくなったり、いろんな想いがいっぱい生まれました」と、難しい役どころに全身全霊で向き合った。共演は父・修役に光石研、デリヘルの従業員・三浦役に高良健吾、みゆきの市役所の同僚・勇人(柄本時生)と豪華な顔ぶれがそろい、物語に深みを与える。
廣木監督の思いが詰まった映画「彼女の人生は間違いじゃない」は7月15日公開。
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