中川翔子、YouTubeの影響でテレビの仕事も増加「本当に始めて良かったなと思っています」

「君のまんまが いいんだよ」(完全生産限定盤)CDジャケット ※提供写真

歌い続けてきてよかった


――今回の作品では、ヒャダインさん作詞・作曲の主題歌「君のまんまが いいんだよ」も担当されていますね。

私の一番の夢は芸能界に入る前からアニメソングを歌うことだったんですけど、それがいつしか子どもたちに夢と思い出を届けられるように頑張りたいという思いに変わって、それが今回最高の形でかないました。

この歌を録ったのは2020年の終わり頃。それから2年たった今年は私にとって芸能活動20周年というアニバーサリーの年ということもあってすごくうれしいです。改めて、歌い続けてきてよかったなと思います。

――前向きな気持ちになれる歌詞が印象的ですね。

「命がきらめく それだけで大丈夫」の部分はグッと来ちゃいますね。生きていれば、挫折の先に違った形で夢がかなうこともあるんですよね。あの時、挫折をしたけど、それでも止めなかったから今があるということを経験した人は多いんじゃないかなって。

「鏡に映る姿に ちょっと笑いかける それだけで世界は変わるから」という歌詞も、そうだよそういう自己肯定感が大事なんだよって強く思いました。やっぱり、しまじろうもパール王子も褒めてもらいたいんですよね。大人に褒められるとそれがずっと残るし、大人は何げなく言ったかもしれない言葉がその子にとって何かの“夢のタネ”になる場合もある。誰かに褒められるということは本当にうれしいからこそ、自分も誰かのことをちゃんと言葉にして褒めてあげる。それって、ものすごく大切なことですよね。

幼稚園でMVを撮ったんですけど、子どもたちはすぐに歌詞を覚えてフルコーラス歌ってくれたんです。まだ歌詞の意味は分からないかもしれないけど、いつか分かる日が来るのかと思うと、何だかエモいなって。これから、子どもたちは自分の力で無限大の未来に向かってどうやって進んでいくのか。今回の歌を通して、エア子育てをさせてもらっているような感覚でした。

――今でも覚えている“誰かに褒められたエピソード”は?

私は引っ込み思案で、手を上げると赤面しちゃうような子ども時代を送っていたんです。でも、絵を描く時だけはすごく楽しくて、小6の時の担任の先生が「絵は中川だね」と言って、文集や運動会のしおりとかの絵の仕事を任せてくれたんです。

――それは、うれしいですね。

それで、自分の得意なものはこれなんだって気付いて。勉強とかで決める人じゃなくて、それぞれの個性をちゃんと褒めてくれる先生だったんです。すごくうれしかったですね。

あとは、さっきスタッフさんから「そういえば、エハラマサヒロさんに昨日会ったんですけど、翔子さんのことすごく褒めていましたよ」って言われて。私、エハラさんにお会いしたことがないと思うんですよ。でも、その話を聞いた時に1人で落ち込んだりすることも多いけど、私のことを見てくれている人がいるんだなって。いつかエハラさんにお会いしたら、褒め返ししたいなって思いました。

歌手活動のターニングポイントは13歳の時


――しまじろうやパール王子たちの冒険物語も見どころの1つですが、これは自分にとって“冒険”だったなと感じた思い出はありますか?

私は歌を歌うことが大好きで、20周年という記念の年にも歌う機会を頂いて本当にうれしいんですけど、その大きなターニングポイントになったのは13歳の時。松田聖子さんのベストアルバムと目が合って、今これを買わないと一生後悔するという謎の予感が降って来て、思わず買ってしまったんです。それで、帰りの電車賃がなくなってしまって…。

もちろん、電車賃がなくなることは分かっていたんですけど、でもこの松田聖子さんのアルバムを買わないと人生が変わってしまうと思ったんです。結局、おじいちゃんに電話をして迎えに来てもらったんですけど、あの時の銀座の光景は今でも覚えています。

もし買っていなかったら、聖子様と出会うのが遅れていたと思うと、本当に買ってよかったなと思うし、何か勇気を出してやることで人生って変わるんだなと。あの冒険が間違いなく“大きな夢のタネ”になったなと思っています。

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