宇垣美里、文字を書く作業は「とても大切な行為」“漫画愛”あふれる著書は「布教が目的」

宇垣美里 (C)文藝春秋

フリーアナウンサーの宇垣美里がこのほど、「週刊文春」での連載「宇垣総裁のマンガ党宣言!」をまとめた「今日もマンガを読んでいる」(文藝春秋)を出版した。大の漫画好きである宇垣は、「漫画という絵だからこそ許される表現や、描ける世界があるのも魅力のひとつ」と表現する。また、執筆業でも活躍する宇垣は、“文字を書く”ことについて「自分の心を書き留めるような、とても大切な行為」と表現した。

――書籍発売までの経緯、書籍化決定の喜びをお聞かせください。

いくつか連載を担当しているものの中でも、週刊文春でのマンガ評は私にとって特にカロリーが高いものです。毎回唸るようにして乗り越えている締め切りを、本にできるほどに回数を重ねてきたのだな、と感慨深かったです。“本”というメディアそのものを愛しているので、自分の本棚に自分の本がまたひとつ増えることも、とてもうれしく誇らしいことでした。

――宇垣さんにとって「文字を書く」という作業、お仕事はどんな意味を持ちますか。

自分の口から出た言葉は、勢いや見栄、その時の場の雰囲気によって時に自分の心すらも裏切るようなものが飛び出すことがあります。けれど、何度も推敲を重ね、編集者さんの目も通った書き言葉は、一番嘘がない。なので、文章をつづることは自分の心を書き留めるような、とても大切な行為だと思っています。書くこと、話すこと、写ること、三者三様の表現する場所が私にあってよかったです。

――本作に収録されている作品の中で、執筆時のエピソードがあればお聞かせください。

どれもこれも、好きな作品の紹介なのでどうしても字数が増えてしまってどこを削るかで毎度頭を悩ませています。とくに「チ。―地球の運動について―」は、一度書いたものにどうしても納得できなくて、編集者さんに待っていただいてまるっと描き直しました。そのおかげか、自信をもってお届けできるものになったように思います。

――宇垣さんにとって、漫画とはどのような存在ですか。漫画について、特に思い出深いエピソードがあればお聞かせください。

漫画に限らず、映画、小説、舞台といった物語が大好きです。その中でも、漫画はよりアクセスしやすく読みやすく、摂取しやすいものだと思っていますね。漫画という絵だからこそ許される表現や、描ける世界があるのも魅力のひとつだと思います。救われた作品は山のようにありますが、人間関係に困ると決まって「恋愛的瞬間」(小学館/吉野朔美)に手を伸ばします。

――最後に、本書の読みどころをお聞かせください。

本書の中では、ありとあらゆるジャンルの漫画を紹介しています。すべてとは言わないけれど、きっと読むその人にとっての琴線に触れる一冊がきっと隠れているに違いないので、マンガ評を読んでびびっときた作品があったらぜひ手に取っていただければ幸いです。あくまで、布教が目的の本ですので。

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