小芝風花、鹿児島を舞台にしたドラマで主演「感情的になるシーンのイントネーションを調整するのが難しかったです」<インタビュー>

「この花咲くや」主演・小芝風花 (C)NHK


桜島の大きさに圧倒されました


――鹿児島での撮影で感じたことや、鹿児島の魅力を教えてください。

今回の作品で初めて鹿児島に足を運ばせていただき、桜島の大きさに圧倒されました。今まで、山というものは遠くの方でどっしりと構えているイメージがあったので、とても近くて驚きました。食べ物もおいしくて風景もすてきだなと感じましたし、ヘアメークさんとお話させていただいている中で、鹿児島の女性はとても柔らかくて芯が強いという印象を受けました。

それと、芋焼酎がめちゃめちゃおいしかったです(笑)。東京で飲むのと鹿児島に行って飲むのとでは全然違っていて、お料理とも合うからさらにおいしく感じるとは思いますが、「芋焼酎ってこんなにおいしかったんだ」と発見できました。

――現地の方言を使ったシーンもありますが、難しかったことや大変だったことはありましたか。

このセリフがというより、方言は感情的になるとより出やすくなると思っているので、感情的になるシーンのイントネーションを調整するのが難しかったです。それと、テレビなどが普及して若い人がどんどん標準語に近くなっているそうで、昔は使っていたけど今は使わない言葉など演じる役柄の年代によって微妙に方言が変わるのでそこも難しかったです。

でも、私を担当してくださったかわいらしい方言指導の方が、カットがかかるたびにニコニコしながらOKサインを出してくださって、それを見てすごく安心していました。

――小芝さん演じる知花のどのような部分に注目してほしいですか?

この作品は、前に進めない子が大きく一歩踏み出そうというのではなく、乗り越えるのに時間がかかるようなことに対して、傷を負いながらも前を向きたいと思い、もがく姿が描かれていると思います。人それぞれ、苦しみやそれを乗り越えるスピードは違うと思いますが、前を向きたいと思う気持ちは見ている人に何か伝わるものがあると思っています。

リアルさを出せたらいいなと思って演じました


――複雑な心情を抱えている役柄でしたが、演じる上で意識したこと、感じたことなどはありますか。

皆さん、大きさはそれぞれあるにしても癒えない傷や後悔していることはあると思います。ですが、そのことを四六時中考えている訳ではなくて、お仕事をしているときは頭からなくなっているけど、ふとしたときに出てきたり引きずり込まれそうになったりすると思います。そういった心情の移り変わりを1時間という短い時間で見せるというのは難しかったのですが、そのリアルさを出せたらいいなと思って演じました。

また、経験したことがないとどこか他人事に捉えてしまうというか、いつ来るか分からないものに対して対策しようという意識ってなかなか芽生えにくいと思っていて、だから、知花も「いやいや、災害なんて」と思っている節があって、それがすごくリアルだなと感じました。