<カムカム>予測不能!ひなた&五十嵐“衝撃の破局” オリジナル脚本ならではの強みを発揮

2022/03/12 05:30 配信

ドラマ レビュー


実話からヒントを得て作られた「なつぞら」(2019年度前期)は、ヒロインなつ(広瀬すず)と幼馴染の天陽(吉沢亮)の関係が気になったが、天陽のモデルの人物が夭逝しているのでなんとなく先が想像できた。

「スカーレット」(2019年度後期)もヒロイン貴美子(戸田恵梨香)にモデルがいて、その人物の半生を知ることで展開はだいたい予想ができた。

「カムカム」のように意外だったのは「ひよっこ」(2017年度前期)。オリジナルストーリーで、ヒロインみね子(有村架純)は大学生・島谷純一郎(竹内涼真)と結ばれると思いきや、彼は実家の会社のあとを継ぐため故郷に帰ってしまう。

残されたみね子が料理人・前田秀俊(磯村勇斗)と親しくなっていくとは予想外だった。当時、純一郎=竹内のほうが視聴者からの人気が高く、磯村の役は脇のひとりという印象だったのにダークホースになった。そしてヒロインの相手役をきっかけに磯村はブレイクした。

そんな「ひよっこ」以上に「カムカム」のひなたと五十嵐の破局は衝撃だった。もっとも、安子編も稔の戦死から安子とるいの別れまで怒涛の展開で、るい編も錠一郎が急に謎の病気でトランペットが吹けなくなってから京都に引っ越すまで急展開だった。つまり「カムカム」はいつも衝撃的なことになるのだ。

ひなた編の第19週も衝撃の連打で、ひなたと五十嵐の破局のみならず、すみれ(安達祐実)と破天荒将軍(徳重聡)の結婚、小夜子(新川優愛)と吉之丞(徳永ゆうき)の結婚、失恋した桃太郎(青木柚)の万引とまさかの展開だらけ。

桃太郎の万引きは、安子の兄・算太(濱田岳)が荒物屋だった〈あかにし〉からラジオを盗んだことを彷彿とさせた。そういえば算太はるいに気づいて去ってしまったからどうなっただろうか。第20週の予告編に算太が登場しているので、彼の問題も解決することを期待したい。

このように「カムカム」では、ずいぶん時間が経ってから再び登場人物が現れることもある。だからこそ東京の実家に帰ったらしい五十嵐も虚無蔵(松重豊)に言われた「鍛錬」を続けて、この先再びひなたを迎えに来てくれることを期待せずにはいられない。

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