――今作にはTM NETWORKの皆さんやオーイシマサヨシさんといった豪華な方々が参加されていますが、注目してもらいたいポイントはありますか?
まず、TM NETWORKの楽曲をカバーさせていただくにあたってお友達の木根尚登さんに「オリジナルのメンバー皆さんにぜひ参加していただきたいです」って電話でお願いしたら、「じゃあ、てっちゃん(小室哲哉)とUTSU(宇都宮隆)に聞いてみるね」って言ってくれて。
その後、皆さん快く引き受けてくださって感激いたしました。小室さんがリアレンジしてくださった、完成形の音源を聞いて驚きました。イントロから宇宙を感じるような、壮大な空間が広がって感動!!言ってみれば「3D音楽」のようでした。
「私、そこにいる!」みたいな。そこにきて宇都宮さん、木根さん、小室さんの重厚感のあるコーラスが入ってきたときには、思わず「うわ~!」って心震えて涙が。このシリーズ、ここまで成長したんだなっていう重みを感じる「BEYOND―」になってます。
――「BEYOND―」に限らずなんですけど、原曲と全く違うアレンジが良いですね。
「翔べ!ガンダム」はMVが公開されていますが、ファンの皆さんから予想通りの感想を頂いてうれしかったです。「こう来たか!」「良い意味で裏切られた」「アレンジが圧倒されました」「想像をはるかに超えたジャズアレンジも圧巻」「期待を裏切って超えてくる」など。
あと、bayfmでやっているレギュラーのラジオ番組「KISS&SMILE」の方にもたくさんメールが来たんですけど、「ゴージャスで、セクシーでエンターテインメントに溢れていて、前向きになれる明るさがあって良き良き! 心が燃え上がります」とか、そういうふうに皆さんが興奮状態で感想を書き込んでくださってることに、私も興奮しました。
――では、この流れで収録曲の紹介をお願いできますか?
「翔べ!ガンダム」は、1979年の「ガンダム」始まりの曲。誰しもが知っているあの勇ましい曲なので、アレンジには皆さんも「どう来るんだろう?」って相当な期待があったと思うんです。音楽的にも、「どうアレンジするか?」という部分で1番難しかったんですよね。
企画会議のときに私が頭の中で鳴っている音をスキャットで伝えて、ジャズアレンジのビッグバンドで勢いよく、格好良くいきたいって言ったら即スタッフの方々からOKが出て。トロンボーン奏者の西村健司さんに11人のビッグバンドスタイルのアレンジにしていただいたら大反響で、大成功のアレンジでした。
――MVでは「機動戦士ガンダム」のネオンロゴが印象的ですね。
巨大なネオンロゴは、このMVのために作成していただきました。昭和のキャバレーやジャズクラブのようなレトロなステージで表現したかったので。作品が始まった昭和へのリスペクトと、令和に新しくよみがえるという、融合も感じていただけたらと思います。
――受け継がれているって感じですね。「Gの閃光」は、いかがでしょうか?
アルバムの2曲目にしていきなり突き抜けちゃいます!!押尾さんはシリーズ「1」「2」「3」と参加してくださってますが、「1」の同時レコーディングから2人の熱量が大好評!その後に東京国際フォーラムで行われた35周年のコンサートやライブにサプライズで出演してくださったりして、阿吽の呼吸で息もバッチリなんです。ステージ上ではお互いにアイコンタクトを外さなくて、ドヤ顔合戦みたいになる感じで(笑)。
エネルギーがすごいライブだったんですけど、そのエネルギーをまといつつ今回の「3」に突入っていう流れがあったので、同時レコーディングじゃなくてもお互いのアイコンタクトが見えるような熱いレコーディングでした。押尾さんのキラキラのギターのサウンドはとにかくカッコイイ!おなじみの1人で何役もこなしているような、パーカッシブな音は痺れますよ。そして速弾きがまさに未来という閃光を引き寄せるサウンドになっています。
――その辺のアレンジも注目ですね。
そうですね。4曲目の「いくつもの愛をかさねて」は、うっとりポイントです!SALT&SUGARのお二人とのコラボです。ピアニストのSALTさんこと塩谷哲さんは全シリーズに参加してくださっていますが、透明感溢れる声を引き出していただいた神がかったレコーディングが誕生したっていう。
しかも同時レコーディングでのきらめきに満ちたダイナミクスを感じるピアノが素晴らしいんです。フェスで塩谷さんとの楽曲を歌ったとき、ファンの皆さんがバスタオル級の号泣になるという感動が生まれました。今回はSALTさん、SING LIKE TALKINGの佐藤竹善さんとの同時レコーディングでした。
竹善さんのとろけるような歌声が本当にたまりません。Aメロを聞いただけで人の心をわしづかみにしちゃう歌唱力と豊かな声の広がりが、「いくつもの愛をかさねて」という美しいバラードにぴったりだったんです。素晴らしいコラボになったと思います。
あとは、2人のコーラスのハモリもピアノ1本だけなので、より重なった感じで響いてると思います。
5曲目の「砂の十字架」は谷村新司さんの作詞・作曲、やしきたかじんさんの楽曲です。冒頭のコーラスも私がやらせていただきまして、祈りを捧げるような、歌謡曲がゴスペルテイストに仕上がりました。そこも聞きどころですね。そして「ライリー」というスキャットから始まるとてもインパクトのある哀愁を帯びた世界です。
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