しずるの村上純が自伝的エッセイ「裸々(らら)」を出版する。タイトル通り、「しくじり先生」でも話題となった遅刻からの謹慎事件や、相方・KAZMA(池田一真)との壮絶な仲違いなど、芸人としてのこれまでを赤裸々に描いた作品だ。しずるはブレイク当初、青春コントで人気を得たことやルックスがいいことから、アイドル視されていた時期もあった。しかし彼はニコニコと笑顔を振りまくその裏で、牙を研ぎ澄ましていたのだ。どんな気持ちで書いたのか、村上に存分に語ってもらった。
――「裸々」というタイトルの意味は?
僕はたまに「なんか鼻につく」とか「イタい」と言われるんですね。それを自覚した上で、鼻につくことを言うのが好きなんですよ。フックがあるタイトルのほうがいいのもあって、「裸々」なら、なんかムカつく言い回しだなと思われそうで(笑)。他にもいくつか候補はあったんですけどね。
――例えば、どんな候補が?
「すっぴん」とか、「僕は、僕に教わる」とか。この案もムカつくタイトルだと思いますが、こういうことを言っていたいんですよね。
――本作の出版は、コロナ禍になって、自伝的エッセイをメディアプラットフォームのnoteに書き始めたことがきっかけだとか。noteの反響は?
読者は右肩下がりに減っていきました(笑)。だから、これはリベンジ本です! ただ、読者の方の感想が直接いただけたのはうれしかったです。「ここの表現が好きでした」とか、確かな評価は励みになりました。
――書籍化の話は、どういう形で進んだのでしょう?
僕から売り込みました。インパルスの板倉さんが書籍を出すプロモーションでニコ生に出たとき、僕も出演したんです。その場に担当の編集さんがいたので、「こういうものを書いているんですが、お送りしてもいいですか?」と言って送ったら、読んでくださって。「書籍化に向けて動いてみませんか?」という話になりました。
――コンビの関係性など、本当に赤裸々な内容ですが、ここまで書くのは勇気がいったのでは…。
でも別に、知られても害はないと思ってるんですよ。勇気がいるということは、裸が恥ずかしいってことですよね?
――「アメトーーク!」(テレビ朝日系)の「しずる池田大好き芸人」で、品川庄司の品川さんが「村上はナルシスト」と言っていました。ナルシストな人って、裏側を見せるのがイヤなのでは、というイメージがあるので。
自分が裸になったら見てくれる人がいるって思う時点で、ナルシストです。いろんなナルシストがあって、池田(KAZMA)もある意味ナルシストだと思ってるんです。池田は照れのせいで、あえて逆を突いた行動をしたりする。でもそれだけ照れるということは、自分が人から見られていると意識しているんです。結局、自意識なんですよね。
ピースの又吉さんや、作家のせきしろさんと個人的に仲良くさせてもらっているんですけど、お2人とも自意識が強い。「相手にこう思われたくないから、こんな行動をしちゃう」というところで共鳴していて、その話が面白いんですよ。たとえば19時集合の待ち合わせに18時53分ぐらいに着いたら、来てないふりをして近くに潜み、誰かが来てから19時に合流するんですって。「先に来てたら、楽しみにしすぎているようで恥ずかしい」という考え方なんです。簡単に例えると、「合コンに遅れて登場したらカッコイイ」みたいな。いや、誰もそこを見てねえよ、と。
あと又吉さんが以前、「みんな綾部のことをナルシストって言うけど、ホンマのナルシストは俺やからな」ってキレてました(笑)。だから、ナルシストは悪口じゃないと思うんです。
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