もう中学生「いろんな人の背中を押したい」、再ブレイクも初著書に込めた思い

2022/03/25 08:30 配信

芸能一般 インタビュー

苦しい時の経験から生まれたメッセージが、初著書に満載 撮影=三宅勝士

「2021年ブレイク芸人ランキング」で1位に輝き、テレビや舞台で大活躍のもう中学生による初の著書・日めくりカレンダー『まいにち、もう中学生』が発売された。そんな彼が最初に世に出たのは2009年から2010年頃にかけてのこと。『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)などで活躍したものの勢いは続かず表舞台から消えていった。あれから10年、返り咲きを果たしたもう中学生が、当時の挫折、救ってくれた先輩たちや言葉、現在の心境を語る。

何もすることがない4カ月間…インスタント麺を作っていたその時、奇跡が!


――最初のブレイクから約10年、昨年は大活躍でしたね。

本当にありがたいことです。(昨年の再ブレイクにつながる20年夏のテレビでの紹介前も)4カ月くらい、何もすることがありませんでした。家賃も払えないので、「地元に帰るか」って荷物を処分する毎日でした。

ある晩、家で「さあ夕飯だ!」ってサッポロ一番 みそラーメンを茹でて、お腹いっぱいにするために増えるワカメをワァッて入れて、吹きこぼれしないようにずっと鍋を見ていた時、友達から電話がかかってきたんです、「丸田(もう中の本名)、テレビに出てるよ!」って。どうせ写真がちょっと出ててるだけでしょ?って言ったら、「違う、ちゃんと出てる。麒麟の川島さんがおすすめしてくれてる」って。慌ててテレビをつけたら、ぼくのコントの映像が本当に流れていたんです。

その後、布団に入ってもドキドキして眠れませんでした。次の日も、その次の日も何もないんですけど、「明日も川に行って発声練習するか!」みたいな気持ちに先輩がさせてくれました。正直、ぼくは面白くないし、技術もないし、芸もない。なのにこんなぼくに、こんな温かいことをしてくださって…本当にありがたく思いました。

川辺で“喜怒哀楽”発声練習 警察が来ることも

【写真】インタビューも身振り手振りを交え、全力投球のもう中学生 撮影=三宅勝士


――何もしていない4カ月間って何をしていたんですか?

毎朝、NHKさんの「テレビ体操」で1日が始まって、4kmあるんですけど川まで走って、さらに川沿いのコースを走って、そのまま発声練習とかをしていました。山手線1周を一息で言ったりとか、喜怒哀楽をやったりとか。

――発声練習の「喜怒哀楽」ってなんですか?

ぼく、普段怒ることがないんです。でもお仕事上、喜怒哀楽をちゃんと表現できないとって思って。それで川に向かって「なんでそんなことになるんだよ!」って怒ってました。…何回も警察の方が来ました。警察の船が巡回しているんですね。夜にぼーっとしてると、スポットライトを当てられるんですよ。東京はやっぱりすごいなって思いますね。

――朝出掛けて、夜まで川で過ごすんですね。

川に行く途中でおでんを買うんです。2品買って140円。汁を満タンまで入れるんです。そうすると飲み物としても満たされる。ホットコーヒーとかホットココアとか、ホットティーを買うよりもめちゃめちゃお得。コンビニのおでん2品140円はオアシスだと思います。発声練習して、昼ご飯におでんを食べて、ずっと考え事をして…。あの時期、ずっと川で過ごしてました。

――現在はずいぶんお忙しいと思いますが、その4カ月の生活に戻りたいと思うことありますか?

戻りたくないことも…。でも、これ言霊だから口にしたらダメですね。ぼく、3年日記をつけているんです、東京に出てきてから21年間、ずっと。読み返すと泣いてばっか。文字で「(涙)」ばっかり書いていました。みんなも一緒だと思いますけど、いいことなんてない。寂しくて当たり前ですよね。今も寂しいどころじゃない。3日前くらいもワンワン泣いちゃいました。

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