もう中学生「いろんな人の背中を押したい」、再ブレイクも初著書に込めた思い(後編)

2022/03/26 10:00 配信

芸能一般 インタビュー

もう中学生、インタビューで初著書にこめた思いを語る  撮影=三宅勝士 

「2021年ブレイク芸人ランキング」で1位に輝き、テレビや舞台で大活躍のもう中学生が、初の著書・日めくりカレンダー『まいにち、もう中学生』を発表。そんな彼が最初に世に出たのは2009年から2010年頃にかけてのこと。『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)などで活躍したものの勢いは続かず表舞台から消えていった。あれから10年、返り咲きを果たしたもう中学生が、日めくりカレンダーを作った理由、そしてメッセージに秘めた願いとは?

息子の影響で父が絵を描き始めた、が正解


――小学生の頃から目指していた芸人。その頃から今のような芸風を考えていたんですか?

誰かがやってたことはやりたくないなって気持ちはずっとありましたね。誰もやっていなかった事柄をやってみたいなって。

――お父様がイラストレーターで、その影響で今の芸風になった、と言われていますが。

そう言われることも多いんですけど、情報が間違っているんです。ぼくが絵を描いてるのを見てうちのお父さんも描きだしたんですよ。ぼくは2001年くらいから絵のネタとか段ボール芸をやっていたんですが、テレビの露出はなく、ライブだけだったんですね。だから両親はぼくがどんな芸をやってるか知らなかったんです。

2007年に初めて単独ライブをやった時に両親が見に来て。そこでお父さんが感化されて、地区の太極拳とかバレーボールの絵を描きだしたんです。それで2009年にぼくの展覧会をやった時に、主催者の人が「もう中展」と「もうお父さん展」をやろうと言ってくださって。なのでお父さんはもともとイラストレーターや画伯ではないんです(笑)。

目指したのは「恐竜スタイル」。今日気づかなくてもいい

メッセージもその解説も初見は「ん?」と感じるが、じわっと染みてくるのが不思議。 撮影=三宅勝士 


――もう中さんと言えば、イラストと一言、というスタイルですが、このたび出版された日めくりカレンダーにいかんなく発揮されてますね。メッセージがストレートな応援になっていない、でもなんかジワッと来るのが印象的です。

これは「恐竜スタイル」なんです。恐竜ってしっぽを触っても、時間が経ってようやく触られたことに気づくそうなんです。ぼくのメッセージも同じで、別に今日気づかなくてもいい。何日か後の深夜に気づいてほしいなって言葉もあったりするんです。

――どのメッセージがお気に入りですか?

(カレンダーをぱっと開いて)「19位って自由だねぇ~♪」がちょうど出てきました! これ、好きなんですよね。上にも行けるし下にも行ける。「19」って好きな人が好きなんだなって思える数字なんですね。誰かに指示されてる感じがしないじゃないですか。

昨日も後輩の芸人くん10組くらいと一緒にいたんです、キラキラキラキラ輝いた10組にお会いできたんです。一緒にライブに出させてもらって、ぼくがMCだったんです。みんなのネタを見てお腹が痛くなるまで笑ったのに、ぼくだけ帰りにタクシーに乗ってしまって。ほかのみんなは駅の方向に歩いて行ったのに…。段ボールがあったのでしょうがないんですけど、ぼくだけスライドドアで。そういう人たちにこのメッセージを送りたいですね。