2019年に引退したイチローが、KONAMIの人気野球ゲーム「パワフルプロ野球」「プロ野球スピリッツ」「パワプロクンポケット」シリーズとコラボし、大きな反響を集めている。“イチローコラボ”について、株式会社コナミデジタルエンタテインメントの各担当者に話を聞くと、コラボ実現の裏にはイチローの“野球振興”への思いがあり、実際に球場でプレイする姿が印象的なCM撮影でも、イチローならではの“プロフェッショナル”な姿勢を見せていたという。またネット上では、ゲーム内での能力値についても度々話題になるが、イチロー自身は「自分の能力や評価は他人が決めるもの」という考えを持っているようだ。
――イチローさんは引退後、KONAMIの野球ゲームには、OB選手としても登場していませんでした。どういった経緯で今回のコラボは実現したのでしょうか。
久保田修平(野球タイトル宣伝担当):イチローさんはご存じの通り、プロ野球選手の中でもトップクラスの知名度、実績がある方ですので、KONAMIの野球ゲームにぜひ登場していただきたいという思いは当然ありました。イチローさんとのコラボ実現に至った最大の決め手は、お互いの“野球振興”への思いです。
――“野球振興”ですか。
久保田:はい。弊社は、野球ゲームを通じて野球人口を増やしていくという、野球振興を最終的なゴールに掲げているんです。イチローさんも引退後、高校野球に指導者として訪問されていることなども含めて、今後さらに野球界に還元していきたいという思いを持たれているようです。そこの理念がしっかり一致し、今回一緒に取り組ませていただくことで、野球をさらに広めて盛り上げていけたらと考えています。
――KONAMIのCMやYouTubeを拝見すると、イチローさん自身も実際にゲームをされたり、PR撮影用に野球場でプレーされたりと、かなり協力的な印象を受けました。
久保田:イチローさんには本当に前向きにいろいろ取り組んでいただきました。実際に球場でプレーしていただく撮影にあたり、事前にミーティングをしたときには「体はつくってきてます」と言ってくださりました。ご準備もかなりしていただいたのだなと。ただ、やり取りをする中ですごく感じたのは、イチローさんご自身にとっては別に特別なことではないということです。やはりお仕事である以上真剣に取り組む、プロフェッショナルとして自分が出せる最高のパフォーマンスをするという姿勢をひしひしと感じましたね。
――特に、「パワプロ・プロスピ」公式Twitterでの「#イチローが抑えられない」キャンペーンは印象的でした。ヒットを打った演出の後に、イチローさんが「君、いいバッティングピッチャーになれるね」などと“煽りコメント”を言うのも話題になりましたね。
久保田:コメントは、複数のパターンをこちらが提出し、実際にイチローさんに選んでいただいたものとなります。イチローさんはクールな一面もありつつも、非常におちゃめでジョーク好きでもある方なので、ご提案した際には「非常に面白い企画なのでやりましょう」とご快諾いただきました。
山本拓(「パワポケR」プロデューサー):4月中に登場を予定している「パワポケR」でも、イチローさんと面白い取り組みをしています。「パワプロクンポケットシリーズ」は「パワプロ」とも違って、より若年層にプレーしていただきたいというコンセプトで、野球以外のミニゲームもあります。今回、イチローさんには選手として登場するだけでなく、野球以外のゲームにも登場いただいているので、ご期待ください。
――久保田さんは宣伝担当としてイチローさんと接する機会も多かったと思いますが、イチローさんと対面してみて、その他に印象に残っていることをお聞かせください。
久保田:CM撮影前の最終打ち合わせに、イチローさんご本人がいらっしゃったことです。撮影前の打ち合わせに、タレントやアスリートご本人の方がいらっしゃることは、ほとんどないんですよ。打ち合わせからいらっしゃるのを拝見し、すごく熱量があり、本当にプロフェッショナルな方だという印象を強く受けました。あとは、やはり遠目で見ててもオーラが違うといいますか、一つ一つの動きに目がいってしまうすごさがありましたね。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)