波瑠、自分の魅力に気付く方法は「信頼を置いている人に認めてもらう」こと

2022/03/18 09:00 配信

ドラマ インタビュー

波瑠 撮影=玉井美世子

30歳で恋愛経験ゼロ、マジメだが自分に自信が持てない主人公が“王子様”のような男性に恋をする。「自分を変えたい」と願う彼女の前に現れたのは、19世紀のフランス文学「恋愛論」の作者・スタンダールだった…。そんなファンタジックな物語を描くドラマ「恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~」が、3⽉18⽇よりAmazon Prime Videoで配信中だ。“おひとりさま”の図書館スタッフ・聡子を演じるのは、数々の作品で等身大の女性を演じてきた波瑠。自分に自信がなく、恋愛に臆病な聡子というキャラクターをどのように理解し、演じていったのか。役柄に優しく寄り添う波瑠ならではの、強くしなやかな言葉がきらめいた。

聡子が新しいステージに進むために、必要なのが恋愛だった


――波瑠さんは聡子というキャラクターをどのように理解しましたか?

波瑠聡子は真面目なんだと思います。真面目だから、ほとんどの人が「自分はできないけどまぁいいや」というところを人と比べて、「何で自分ってこんなにダメなんだろう」と思ってしまう。彼女にとって、今まで比較対象がないことは幸せなことだったと思うんですね。でも恋愛をしたり、人と関わるようになると、“自分とその他”という比較対象がずっと目の前にある。

だから“焦り”というよりも、みんなができることをできない自分に対しての苛立ちや不満なんだと思います。変わりたい願望と「でもできない」の葛藤で、「みんなできることができないなんて、つまり私がダメなんだ」と答えを出してしまっている。彼女にとっての強い願いは、恋愛がしたいというより、「みんなと同じようになりたい」だったんじゃないかと私は思います。もう呪いですよね、彼女にとって。彼女が新しいステージに行くために必要だったものが、今回は恋愛だった…というお話だと私は思っています。

――共感されるヒロインを作り上げるために、どのような役作りをされましたか?

波瑠私は器用にいろんなことを狙ってできる人間ではないので、どんな役でも自分なりの誠実さで向き合います。彼女の感じる痛みや喜びが私自身の中で本物になったときに、初めて見てくださる方の胸にも届くと思うので。そのためにはまず、聡子ちゃんの思いや感覚的な部分を、自分と同期するというか。聡子ちゃんが苦しむことに、自分も苦しめるようにする。苦しみはある意味目印で、最終的には聡子を私の中に感じられたらそれでいい。そのために聡子を組み立てていく、地味な作業ですね。それはどの作品でも同じです。

――波瑠さんが共感できる部分や、自分と重ねてしまう部分はありましたか?

波瑠誰でも本人にしか分からないコンプレックスはありますよね。私も子供のときの自分を好きでいるわけではない…というか、嫌な思い出もすごく多くて。なので、聡子の対人関係でつまずきやすいところとかは、すごく理解できます。逆に違うなと思ったのは、乙女な部分。彼女の人間性ってとってもかわいらしいと思います。私は「チャック開けたらおじさんが出てくる」と言われるくらいなので(笑)、面倒を見てあげたくなりますね。憧れるというか、“ほっとけない”という目線で捉えちゃいます。

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