――劇中では聡子が困難に立ち向かっていく姿が描かれていますが、波瑠さんは聡子のように「無理めなことかもしれないけど、頑張ってみよう」という経験はありますか?
波瑠:“無理め”ばっかりですよ。この世界に入ったのだって、逃げ出したいゆえの思いつきなので。中学生のとき、学校に馴染めなくて嫌で嫌で、「どうにか学校に行かなくていい理由が欲しい」と思ってオーディション情報誌を買って書類を送って…。現実逃避から始まった世界なのでうまくいくわけもなく、基本無理めでした(笑)。
――波瑠さんはその“無理め”をどのように乗り越えてこられたのですか?
波瑠:…根性(笑)。でも、周りの人に恵まれたというのは大きいです。自分一人でどうにかなったのでは絶対になくて、私に見向きもしない監督さんやプロデューサーさんがいる中で、厳しく接してくれた方がいたり、間違った方向にいかないように礼儀を正してくれたマネージャーさんがいたり。そういう中で、もう薄く積み上げて積み上げて…という感じです。
――そんな波瑠さんには、“積み上げている”途中の聡子はどう見えるのでしょう?
波瑠:成長するには、自分の嫌なところや一番目を背けたいダメなところを、一回まっすぐ見つめないといけません。それがものすごく負荷のかかる作業だというのはよく分かるので、頑張れ!としか言えないです。虫歯治療みたいなものですよね。痛い思いをして頑張るっていう。
――聡子のように自信のない人が自分の魅力に気付くためには、どうすればいいと思いますか?
波瑠:たとえば自分の姿を鏡で見て、根拠なく「いいじゃん」って思える人って、相当軸が強くて何かが違う人だと思うんですよ。そうできない人は、信頼を置いている人に認めてもらうのが一番手っ取り早いと思います。自分に自信を持てない人は、「自分はここがいいところだと思う」っていうジャッジにすら自信が持てない。でも、信頼を置いている人に「そこ、すごくいいよ」って言われると、自分の価値が高まったような気がしますよね。人間、人に押してもらわなきゃ動けないところってあると思うので、そういうのも大事かなって。
――波瑠さんご自身は、「信頼を置いている人から認めてもらって自信がついた」というエピソードはありますか?
波瑠:私は褒められて伸びたいのに、全然褒められないんです(笑)。でも、ご一緒した先輩とかに言ってもらえるとパワーになりますね。自分の心がぐっと引き寄せられている人に言われると、心の跳ね方が全然違います。
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