――この番組の魅力を教えてください
原点に返らせてくれるところですね。少し生き方を正してくれる番組だと思っています。今失われつつあるものの中に、生きる道標のようなヒントがある。もう一度、振り返ってみるといいものがあるのではないかと思います。
――登場した職人の方へ、熱心に質問をされている姿が印象的でした。特にひきつけられたところを教えてください
ハリケーンランプの質感と古めかしい加工にあたたかみがあり、そういうものが好きなので「あっ、欲しいな」と思い、次々と質問してしまいました。素直な気持ちが出てしまいましたね。髪を結う職人さんも本当に素晴らしかったです。
――とても熱中している様子でしたが、草なぎさんが時間を忘れて夢中になってしまうのはどんな時ですか?
デニムとブーツを見ている時が一番好きですね。手入れをしている時は夢中になっています。ちょっと汚れたブーツが大好きなので、あえて磨かないんです(笑)。シワや泥が付いていると、さすがに拭ったりしながら「これくらいの汚れ感がいいな」と眺めています。
デニムも年代別に並べてみたり、履いていないものもあるので「このデニムはそろそろ下ろそうかな」とか考えている時、頭の中が無になってリラックスできています。
――さまざまな職人の方がつながり合って、一つのものが完成する様子を見ていかがでしたか?
買ったものが手元にあるのが当たり前の状況ですが、それまでにはたくさんの人が手をかけて、いろいろな工程を経て一つのものが出来上がっている。それが手作りであればあるほど大変です。そういうことを改めて考えると「やっぱり物って大切にしないと」と思います。
失われてしまうものや途絶えてしまうものもありますが、またいつかよみがえるかもしれない。一方で、失われてしまったことさえ分からない時もあれば、失われる寸前で知ることもある。そういった、失われつつあるものの中に大切なもの、忘れちゃいけないものはあるんじゃないかと、いつも思います。
――草なぎさんが仕事を長く続けてこられた中で大切にしていることはありますか?
早く寝ることですかね。寝ればなんとかなる。「早く寝て、起きてから考えよう!」と(笑)。それが一番大事にしていることです。煮詰まってくると考えても進まないのでいったん寝て、起きると「あれ? 何であんなに夜中に考えていたのかな(笑)」となりますね。
――これから挑戦したいこと、現在の目標を教えてください。
今、入っている撮影をちゃんとやる。それ以外は何も考えてないですね(笑)。コロナ禍になり、目の前に仕事があるならそれでいいと思っています。それを集中してやっているうちに次の方向に向かえるんじゃないかなと。
計画を立てて先のことを考えるのはもちろん大事なことですが、そればかり考えてもどうにもならないことがたくさんある。月並みですが、今日を生きる。それがすごくシンプルで難しいです。じゃ明日はどうするんだって感じですが(笑)。でもここ何年かはそういう気持ちでいます。