――歌詞には、人気アイドルだった松本伊代さんとの交際振り返り「バレたら殺されると本気で思ってた」という、ご自身の体験談がつづられています。やはり当時、若手芸人が人気アイドルと交際することは大変だったのでしょうか。
それはもう、30年近く前の芸能界ですから。当時、業界のルールがあまり分かっていないながらも、アイドルに手を出したからには「殺されるんじゃないか」と思いましたよ。結局は何の問題もなく、結婚できたわけですが。
――今や時代も変わり、芸人さんが女性有名人の方と結婚することもよく目にします。
時代は変わったなと思いますね。僕らの若い頃は「お笑い芸人なんて」とバカにされるような時代でしたが、(ビート)たけしさんをはじめとした先輩たちがお笑いの地位を上げていってくれました。そのおかげもあって今では、お笑い芸人は憧れられる職業になりましたし、人気女優やアイドルと結婚する人も珍しくなくなりましたよね。
――ヒロミさんといえば、一時期芸能活動から離れ、また復帰されたことも印象的です。その時の奥様の反応はどういったものだったのでしょうか。
「お好きにどうぞ」という感じでした。彼女は僕の仕事に一切口出しをせずに、「パパの思うようにやって」というスタンスなんです。ずっと芸能界にいた人間が急に「芸能界から離れる」となったわけですから、世間から見たら離婚されてても、おかしくないわけで。いろいろと助けられた部分があります。
――最近、「妻」「嫁」「奥さん」など、“男性が配偶者を何と呼ぶべきか”が議論になることがあります。ヒロミさんが一貫して奥様のことを「ママ」と呼ぶ理由は何ですか。
これは僕が、「ウチのが」とか「女房が」とかいう呼び方が嫌いなだけです。言い方がなんか乱暴だし、かわいくないなと、自分の中では気持ち悪くて。ママと呼ばれて「私はママじゃない」と嫌がる女性もいるでしょうけど、ウチは「ママ・パパ」でずっとやってきてます。あと、岩城(滉一)さんが(結城)アンナさんのことを「ママ」と呼んでいる影響もだいぶあります。それを聞いて、「ああ、ママっていいな」と思ったんですよね。
――改めて、ヒロミさんが考える夫婦円満の秘訣を聞かせてください。
僕は結婚した時から「離婚はない」と決めていたんです。「嫌なことがあったら別れればいい」となったら、自分の性格的にすぐ別れてしまいそうでしたし、何回も結婚を繰り返してしまう予感もあったので(笑)。それこそ離婚の原因なんて、探そうと思えば毎日ありますが、「離婚がない」となると仲良くするしかない。そんなわけで、「離婚」という選択肢を外したから、軌道修正しつつも28年間やってこられたんだと思います。