――今作で演じた拓真はどういう人物でしょうか?
リハーサルの段階から拓真がどういう人物か、本当に細かいところからプロデューサーや監督と話し合ってきました。拓真は、自分の過去にコンプレックスを抱えていて、お金や地位や名誉を得るために、いい会社に就職したいというのが第一にある青年です。
――演じる上で難しかったシーンはありますか?
1つの作品で2つの役を演じることが初めてだったので、すごく難しかったです。視聴者の方に違和感を与えないように、今の自分にできる最大限のことをするというのがテーマでした。
10年後、34歳の自分は正直想像がつかないので、稽古の段階から話し合いを重ねて、一番時間をかけて作り上げました。
――10年後の拓真を演じる上で意識したのはどういった部分ですか?
一番初めに監督と話して決めたのは、声のトーンを低くして、ゆっくりしゃべることです。“なんかちょっと怪しいな”という“エセ感”が出ればいいなと思っていて。
10年後の拓真は、(いろんな物事が)思うようにいかない場合に出てくるんです。だから、“この世の中のせいで自分は不幸なんだ!”みたいな、やさぐれてる感じを出しました。
――座長として現場で意識したことはありますか?
全くないといったらうそになるんですけど、座長であるということをそこまで強く意識していませんでした。今回は撮影期間がすごく短かったのですが、スタッフさんたちが現場をすごく盛り上げてくださって。
ハードなスケジュールだったにもかかわらず、和気あいあいとした現場だったので、皆さんに支えていただいたなという印象があります。
なので、自分で意識したことは、しっかりとせりふを覚えること。せりふの量が結構あったのですが、できるだけ失敗したくないなと思ったので、現場でのミスを減らせるように努力しました。
――共演シーンの多かった田辺桃子さんの印象はいかがですか?
ファッションイベントなどでお会いしたことはあったのですが、お芝居を一緒にするというのは今回が初めてでした。
撮影は2、3日しかご一緒していないのですが、短い期間の中でもいろんなことを考えていて、「こうしてみます?」とか提案もしてくれて。お芝居をしていて、拓真と理紗の関係性が見えてくる瞬間があったので、すごく感謝しています。