<カムカム>松重豊、演出を「超えた」名演 “虚無蔵”に説得力を与えたアグレッシブさとユーモア

2022/03/26 08:20 配信

ドラマ コラム

虚無蔵(松重豊)「カムカムエヴリバディ」より (C)NHK

“朝ドラ”こと連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)は、いよいよあと2週間を残すのみ。第21週(3/21-25)では、1999年“恐怖の大王”は降臨しないまま過ぎ2001年になった。ハリウッドから映画クルーがやって来て「サムライ・ベースボール」の制作がはじまる。日本人俳優も出演できるということで、ひなた(川栄李奈)は伴虚無蔵(松重豊)に出てほしいと願うが…という展開が描かれた。侍の精神を持ち続ける人物・虚無蔵を演じた松重豊について、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が解説する。(以下、一部ネタバレが含まれます)

最初は“名前”なし「斬られる侍」として登場

「日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備えよ」

永遠の斬られ役俳優・伴虚無蔵の含蓄あふれる名セリフである。虚無蔵が登場したときはこれほどまでに「カムカム」で重要人物になるとは思ってもみなかった。が、名優・松重豊が演じているのだからさもありなん。

虚無蔵の初登場は第42回(るい編)。劇中時代劇映画に出てくる斬られ役としてだった。だからこの回のクレジットは「斬られる侍」で正式役名では紹介されていない。

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