“世界中の毎日をおどらせる”Lucky Kilimanjaro、多彩な音楽性は「ただ自分がむちゃくちゃ好きなことをやってるだけ」

2022/03/30 13:00 配信

音楽 インタビュー

「世界中の毎日をおどらせる」というコンセプトを掲げ、傑出したクリエイティビティーを誇るダンスミュージックで各方面から大注目を集める6人編成バンド、Lucky Kilimanjaro。メジャーへフィールドを移してほどなくコロナ禍という状況に見舞われたが、その勢いは留まることを知らず、3月30日(水)には3rdアルバム『TOUGH PLAY』をリリースする。本作に関して、またここ2年の活動についてをフロントマンであり、音楽性の根幹を担う熊木幸丸に話を聞いた。

フロントマンであり、音楽性の根幹を担う熊木幸丸 撮影=藤田亜弓

自分が主体的に何かをやりたい、やろうとしてるのは人生においてすごく豊かな時間


――メジャーにフィールドを移して丸3年。うち2年はコロナ禍ということもあり、バンドにとっては厳しい状況でありながら、作品のセールス、ライブの動員やYouTubeの再生回数、Lucky Kilimanjaroへの反響がどんどん大きくなってきてる印象があります。

熊木「メジャーになって初めてのフルアルバム『!magination』を出させてもらってすぐにコロナ禍になって、自分たちとしても最初は落ち込んだり不安もありました。ただ、その中でもちゃんと日常で踊れる音楽を届けるということで2年ぐらいずっと活動をしてきました。当然、大変な部分はたくさんあったんですけど、こういう状況だからこそ、みんなとある種の一体感を得られたところもありました。自分たちとしては、ツアーをまわって、お客さんとも少しずつつながれて、なんとかやってこれたという感覚です」

――まずは、基本的なところからお伺いさせてください。2014年に同じ大学の軽音サークルで集まって結成ということですが、当初から“おどる、おどらせる”というところにフォーカスはしていたんですか?

「最初は海外のシンセサイザーを使ったダンスミュージックに影響を受けてるような、どっちかと言うと、ロックとして分類されているようなバンドが好きでLucky Kilimanjaroを始めたんです。だから、今のダンスミュージックが中心となっているスタイルではなかったですね。徐々に自分たちでも“おどらせる”面白さに気付きつつも、まだ試行錯誤していて、今のスタイルまで辿り着いてない感じだったと思います」

――その後、2018年にメジャーデビューを果たし、2019年からは“世界中の毎日をおどらせる”というコンセプトを掲げるようになりました。

「メジャーデビューをして、たくさんの人に聴いてもらえる可能性が今後あるわけで、Lucky Kilimanjaroがどういうバンドなのか、お客さんに対してもそうですけど、僕らや関わってくれているスタッフさんたちも含め、中心になる軸があった方がいいだろうという感覚がずっとあったんです。そこでメンバーと話し合ったとき、『日常的にみんなの心の踊り場になれるといいよね』という言葉が出てきて、“世界中の毎日をおどらせる“というコンセプトにまとめました」

――実際、メジャーデビュー以後はサウンドとしてもよりダンスミュージック色が濃くなったと思いますが、そのあたりについては?

「自分たちで“世界中の毎日をおどらせる”というコンセプトを打ち出してるから、そこに影響を受けてるところもあるかもしれないですけど(笑)、ダンスミュージックをやらないといけないってとらわれてるわけじゃないですし、あくまで自然とこうなっていったというのが強いですね」

――自然発生的に湧き出たアイデアをピックアップした結果、そこに縛られてしまっては意味がないでしょうし。

「ハウスミュージック、テクノミュージックは当然大好きだけど、そこにこだわり過ぎない。あくまで、みんなの体が音楽で自然におどれることを目指しているので、そこを忘れないようにしたいという話はメンバーともしてます」

――踊るという表現もコンセプトでは“おどる”としていますし、幅広い意味として捉えていますよね。

「それこそ、みんなが思い浮かべるような手や足を動かす行為は“おどる”ことですし、僕らの音楽でそういうことを感じて欲しいなと思っているんですが、もっと日常にあるちょっとしたこと、自分の好きなことをやったり、『今日の夕飯が楽しみだな』って思うことも僕は“おどる”だと思っていて。自分が主体的に何かをやりたい、やろうとしているのは人生においてすごく豊かな時間だと考えているので、それがLucky Kilimanjaroでいう“おどる”ということなのかなと」

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