6月10日(土)に公開される映画「昼顔」が、イタリアで開催となった「第19回ウディネ・ファーイースト映画祭」の正式招待作品としてコンペティション部門にて上映された。
2014年夏にフジテレビ系で放送された連続ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」。平日昼間に夫以外の別の男性と恋に落ちる主婦のことを指す造語“平日昼顔妻”をテーマにした、道ならぬ恋に人生を狂わせた女性を描いた本作は、その年の流行語大賞にノミネートされるなど、社会現象にまでなった。
そんな日本で社会現象を巻き起こした「昼顔」が、ついにイタリアに進出し、日本での公開に先駆けてのワールドプレミア上映が行われた。
ウディネ・ファーイースト映画祭は、イタリア北部の美しい古都ウディネで開催される映画祭で、日本をはじめ中国、韓国、香港など東アジア・東南アジアの作品をヨーロッパに紹介することを主旨とし、大作からミニシアター系の作品まで幅広いジャンルの良作を選出している。
公式上映に合わせ、主人公・紗和を演じる上戸彩、紗和と愛し合う北野を演じる斎藤工、そして本作のメガホンをとった西谷弘監督が現地入り。上戸はウディネ映画祭初参加、そして西谷監督は海外映画祭初参加となった。
会場となったのは映画祭のメイン会場である新ジョバンニ劇場。舞台あいさつ前には海外メディアに向け、キャストたちの記者会見が行われ、イタリアの現地メディアだけでなく、国内外から数多くの媒体が詰め掛けた。
イタリアにはかつて「テルマエ・ロマエ」で撮影、映画祭でも訪れた上戸は、イタリアでの自身の人気について問われると「全然実感がありません。今日も普通に空港を歩いて来ちゃいました。たまには声をかけてほしいです(笑)」と答えると、取材陣からは笑いが起こる。
二度目のウディネ映画祭への参加となる斎藤は、ユーモアを交えて話し、場を盛り上げて終始和やかな空気で会見を終えた。
そしてメインイベント・舞台あいさつに登壇。イタリアでも2人の人気はもはや不動のものとなっており、開場前には600人以上を超える行列を作り、開場するやいなや本来オペラ劇場で4階席まである1200席の劇場は満席となった。
そこで行われた上映前舞台あいさつでは、上戸と斎藤がイタリア語であいさつするという粋な計らいを見せ、司会者の呼び込みにより劇場内に登場した西谷監督含む3人を割れんばかりの拍手が包んだ。
とりわけ二度目の参加となる斎藤は「飛行機内で覚えた」という長文の流ちょうなイタリア語を披露し、場内は拍手喝采。その後キャストは客席に降り、本作の上映をイタリアの観客と共に鑑賞した。
上映中、現地の観客らは本作の衝撃的な展開に息をのみ、2人の“道ならぬ恋”の行く末に涙する姿も。
上映後は、エンドロールが終わるまで5分以上にわたるスタンディングオベーションとなった場内。上戸と斎藤も立ち上がり、本作では見られないはじける笑顔を見せた。
鳴りやまない拍手の中で上戸らが退場し、囲み取材のためロビーに移動すると、すぐさま現地のファンに囲まれる。上戸も斎藤も一緒に写真を撮ったり、サインをしたりのファンサービスに勤しんだ。
公式上映後、2人はベネチアの観光名所にも映画のプロモーションで訪れ、ベネチア名所のブラーノ島を散策し、現地の料理やスイーツを堪能した。
【上戸彩】
意外なシーンで笑いがあったり、リアクションが大きくて新鮮でした。ただ、感じてほしい部分は国境を越えてイタリアの方々にも届いていたのかなと思います。
(ファングリーティングでは)日本の方々はシャイなのでこうして触れ合うことはないのですが、感想を伝えてくれたり、「いつの写真?」みたいな昔の作品の写真を持ってきてサインを求められたりして海外ならではのその距離の近さがうれしかったです。
【斎藤工】
この国は映画に対して前のめりなんだという国民性を感じました。お客さんと一緒に見ている中で話の展開と共に会場全体の空気が変化していくのを肌で感じていました。
この作品は普遍的なテーマでもある「愛」について描いています。自分自身を見詰めにくるような作品として、これから先長く愛される作品になってほしいと思います。
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