ABEMA、W杯放映権獲得の裏に“全社的な後押し”『ウマ娘』ヒットも理由に…無料生中継で「日本の閉塞感を打破したい」

MLB中継は「ABEMAの数字を牽引した」大谷翔平の活躍で“過去最高”も記録


――日本時間4月8日に開幕する「メジャーリーグベースボール」(MLB)についても、昨年に引き続き完全生中継します。昨年7月からMLBの生中継がスタートしましたが、開始の経緯をお聞かせください。

MLBもワールドカップと似ていて、「世の中が観たいものを、我々がメディアとしてしっかりと届けて、その視聴体験を通じてABEMAというサービスを使ってほしい」という意図からです。大谷翔平選手が二刀流でMLBにて活躍し、多くの方々の関心が高まっていたので、ABEMAとしても届けさせていただきたいという思いがありました。そして昨年の7月から放送できるようになったという形です。

――メジャー中継の反響はいかがでしたか。

MLBを放送したことによる数字の反響はかなり大きく、ABEMAの数字を牽引した部分があります。昨年8月、大谷選手の活躍もあって、ABEMAとして過去最高の週間視聴者数を記録しました。

ABEMAスポーツチャンネルは「すべてしっかり届ける」、熱狂を生んでファンを増やしていく


――スポーツ系のチャンネルは、ABEMAのドラマやバラエティと比べて、ユーザーの年齢層的も広いのでしょうか。

年齢層の幅は広いです。なかなかABEMAには馴染みがない、M3、F3の方々も「そういう番組をやってるんだ、ちょっと見に行こうかな」という動機で見ていただいており、ABEMAの中でも一番幅広い年齢層が視聴しているジャンルだと思います。たとえば「大相撲の千秋楽で誰が優勝するんだろう」とか、「将棋で藤井聡太竜王が五冠をとりそうだから見てみよう」などのように、世の中の興味関心と完全に紐づいています。

――ABEMAのスポーツチャンネルとして目指してることをお聞かせください。

ABEMAでは、たとえば大相撲だと幕下から結びの一番まで放送しますし、将棋も朝から夜中の対局まで放送しています。皆さんが見たいと思うものをすべてしっかりと届けるということが、大前提としてあります。

――なるほど。

たとえまだ世の中ではそこまで熱狂が生まれている競技ではなくても、業界の方々ともしっかり連携しながら、ABEMAを通じてその競技の素晴らしさを伝えていく。そして熱狂を生みファンを増やしていくことで、業界に還元していく。我々はメディアとして、そこの部分を今後もさらに担っていきたいなと考えております。