アニー・ヒラカワこと安子を演じる森山良子、あえて途中から『カムカム』視聴せず「私が知る必要がない内容だと思ったんです」

2022/04/07 08:15 配信

ドラマ

深津絵里“るい”との再会シーンは「込み上げてくるものが」

るい(深津絵里)と抱き合うアニー・ヒラカワこと安子(森山良子)(C)NHK


――撮影で印象的だったシーンを教えてください。

るいとの再会のシーンが最初の撮影だったんですが、るいを見ただけでとても込み上げてくるものがあってるい役の深津絵里さんを何度も抱きしめたほど。るいに再会できてすごくうれしかったと言うと変ですが、母である安子の思いがとてもよく理解できて、私の中に安子が存在していることを感じました。るいへの切ない気持ちはずっとありましたね。深津絵里さんはすごくすてきな女性だなと思いました。母親と離れて生きてきたことを感じさせる、凛とした美しさとたたずまいというか、強さというか、そういうものがものすごく感じられてとても感動しました。

他にも、甥のジョージから岡山に行くことを促される場面で、アニーは明日ここを発ってもう2度と日本には戻ってこないと強がりを言うんです。その言葉の背景にはここで自分がみんなの前に出ていったら、せっかく今みんなが幸せにしているものを台無しにしてしまう、私は私でアメリカで幸せになっているんだからこれでいいんだと自分に言い聞かせている気持ちがあるんだと思います。自分の一番大切な娘のことですから片時も忘れていないんですが、自分から身を引くところに胸が詰まってしまいました。なんでこんなに強いの? 安子! って思うくらい。昔の日本の女性の慎ましくもたくましい一面を感じました。

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