ーー番組の特性や、月曜日から金曜日の帯番組である点なども含めて、関内デビルならではのポイントが多いなと感じています。
落合:やっぱりキー局の放送エリア内で誕生している局なので、自分達ができることみたいなのは大切にしているんですよね。正直、その中で生き残るために挑戦し続けてきた先人の方々が、音楽のライブ映像をフル尺でお送りするとか、キー局が扱わないようなロックシーンをいち早く取り入れるみたいなことは今も受け継がれていると思います。たぶんキー局がやろうと思ったらできることではあるのですが、あまりメリットがないのでやらないんですよね。そこを僕らは楽しんで作っているんです。
菊谷:たしかに。キー局で帯番組をやったらえらいことになると思います。でも、帯で番組をやりたかったわけではなく、やりたいことをやり始めたら、自然とそうなっていったんですよね。それはたぶん、完成形をイメージすると言うよりは、できることを形にして出来上がったものが完成形という作り方をしているからだと思います。
落合:これは他の番組にも言えることですが、tvkの番組って撮った素材をほとんどカットせずに使っている番組が結構あるんですよ。編集して落とすところを作っていないんです。おもしろいところを厳選して繋ぎ合わせているのではないから、本来だったら見えていないところも存分に使っているんです。だからこそ、帯も出来ているのかなと思いますね。
ーーある意味、受け継がれてきたtvkらしさも反映されているんですね。
菊谷:僕、tvkがみられるようになったのが小学生ぐらいのころだったのですが、そのときずっと神奈川県の高校野球の予選が放送されていたんですね。誰かわからない試合がずっと流れているのが楽しくなっちゃって、なぜだか流し続けてしまったのを覚えています。その後、思春期の頃にバンドブームが起きて、その時にロックバンドの映像が流れていたのもtvkだったんですよ。今だから思うんですけど、当時みられないようなバンドを引っ張り出しきて、ライブをやらせる、しかもそれをテレビで放送させるというのは相当な大英断だったと思います。そういう開局以来のスピリッツが、ナチュラルに受け継がれているんだと思います。
ーー今後も50周年のイベントがあるとお伺いしていますが、どう盛り上げていく予定ですか?
落合:50周年は『感謝のカタチ』をコンセプトに番組やイベントなど、いろんなきっかけで視聴者の方に感謝を届けられる展開をして行けたらなと思います。
落合:放送は先日(開局記念日翌日)4/2(土)にさせていただきましたが、tvk開局50周年特別番組「ライブ帝国 ザ・ファイナル」を企画し、トレンド入りするなど本当にたくさんの反響をいただきました。これがまさに先ほどお話に挙げたキー局の放送エリアに誕生した局として諸先輩方が見出した「挑戦」に通ずるんですが、tvkには開局当時より数々の音楽ライブ番組を制作し続けた長い歴史があり、アーカイブ映像をたくさん保有しています。
名立たるアーティストの新人時代や、既にお亡くなりになられた方々の大変貴重な映像も。この開局50周年という節目を迎える後輩たちである我々が、先輩たちの挑戦をお借りし7時間におよぶ音楽アーカイブ特番に挑戦しただけなのですが、結果として視聴者の皆さんには音楽というカタチで喜んでいただけたようなので少しは役に立てた気がしています。
ーー貴重な音楽映像を楽しめるのはtvkならではですね。
菊谷:そうですね。この人にスポットを当てて終わりではなく、ライブ映像を長い時間楽しめるのは、すごくtvkっぽいと思うので、僕たちとしても大事にしたいですね。あとは、「tvk開局50周年ソング」は木村カエラさんに書き下ろしてもらいました。なんだかんだで困ったら、いつでも木村カエラちゃんに頼めばOKだと思っています。tvkは木村カエラ頼みです!(笑)
落合:僕らは瞬間で消費して終わることはなく、アーティストさん1組1組とすごく長いお付き合いをすることを大切にしています。アーティストさんから煙たがられるくらい、1回関わったら、なかなか剥がれないんです。
菊谷:そうそう!『関内デビル』に出たら終わりですよ!(笑)
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