――2.5次元舞台が演劇のジャンルとして定着してしばらく経ち、お2人はいわば“次世代”の俳優だと思うのですが、そんなお2人から見て2.5次元舞台の魅力はどこにあると思いますか?
田村:デビューしたての頃や、初めて見たときは、「こういうエンターテインメントもあるんだ!」と、演劇や映画とは全く別物に見えていました。でも、少しずついろんな作品に出させていただいて、いろんな方とお話ししていくと、一緒なんだなって。“2.5次元”というくくりではありますが、演じているのは人だし、やっていることは一緒。だからこそ難しいなと思うようになりました。
――どういった難しさでしょうか?
田村:たとえば僕が普通の大学生を演じるのと、魔法使いを演じるのは、一緒のことだけど魔法使いの方が難しいと思うんです。この世にいない存在だし、普通ではあり得ない感覚もあるだろうし。セリフの言い方や見た目だけでやろうと思えばいくらでもそう見せられるけど、きちんと中身を掘ろうと思ったら、普通の役より絶対に難しいことをやっているなって思います。僕たちも、そこに誇りとプライドを持ってやるべきだなって。もちろん原作をリスペクトした上で、やることは人と人の物語ですからね。
――2.5次元舞台は、「再現できるの?」というキャラクターが舞台上に現れ、バチッとハマった瞬間の爆発力もすごいですよね。
田村:キャラクターからもらうものって、とっても多いなって思います。
加藤:本当にそうですね。
田村:キャラとか音楽が僕たちを動かしてくれるんですよね。
――加藤さんとしてはいかがでしょうか?
加藤:僕も、初めてお芝居をやったのが2.5次元舞台だったんです。最近になって演劇そのものに興味が出てきて、いろんな作品を見させていただく中で、やっぱり2.5次元ってどのジャンルでもない、唯一無二の存在だなって。
田村:ジャパンカルチャーだよね、本当に。
加藤:アニメや漫画を舞台化するって、考え付かないというか。だって、二次元に寄せられるわけがないですからね!空も飛べないし、魔道具を浮かせられないし、斬撃も飛ばせられないし。映像だったらCGでできちゃうじゃないですか。でも舞台は、それをいかに人力で表現するかの楽しさがあると思います。長い稽古期間を経て作っていく楽しさですよね。もっともっと、アニメや漫画が好きな人は全員知った方がいい!っていうくらいのものだと思います!
田村:好きなキャラクターが舞台上に立ったときの感動も魅力だと思います。「うわ、本物だ!」という没入感がありますよね。キャスティングでは身長や等身も加味して選んでいただいていると思うのですが、歌やお芝居がある上で、まずビジュアルで「うわ!本物!」ってなれるのが2.5次元舞台の感動と魅力です。そこからお芝居や物語に入り込んで、キャラクターや作品をもっともっと好きになっていく。でも、一個目の感動ってやっぱりビジュアルだと思うんです。だから衣裳チームもメークチームも、本当にすごい!ありがたいですね。
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