――現在ではメディア露出が増えて「再ブレイク」と呼ばれることも多いですが、その実感はありますか。
仕事はたしかに増えましたが、怖いですね。僕らのレベルから考えるとちょっと仕事し過ぎだなと。消費されてしまうのが怖いから、もうちょっとひっそりやりたいというのが本音です。
――まったく浮かれてないんですね。
一回ブレイクを経験したからこそ、「この状況も長くは続かないだろうな、いずれ落ちるんだろうな」と知っているので、冷めた目で見ちゃうんです。あと、一発屋時代が長くて、褒められるのに慣れていないということもあるかもしれません。そういった意味では、「ここにいるよ」とTwitterで言ってるのに、そんなに大っぴらに見つかりたくないという矛盾した気持ちですね(笑)。
――最近では、ジョイマンさんのネタを星野源さんや花澤香菜さんが真似するなど、さらに大きな広がりを見せていますね。
そうなんですよね。ラップを真似してくれる人が本当に多くて。ジョイマンのネタって見てるより、やってる人のほうが楽しいんですよね。劇場だったら、お客さんよりもやってる僕が一番楽しいですし。だから、真似した時に「あれ?めちゃくちゃ楽しいな、これ」と気づいて、皆さんにコピーしていただいている気がします。
――著名人というと、高木さんは秦基博さんと小・中学校の同級生として知られています。特に思い出深いエピソードがあればお聞かせください。
秦くんは、僕が仕事がなくなってから、よく仕事に呼んでくれるようになりました。救いの手を差し伸べてくれて、マジで頭が上がらないです。秦くんは否定しているんですが、1つ思い出深いことがあって。一緒に飲んでいるときに、当時の僕は仕事が減った後だったので愚痴を言ってたら、秦くんは「だったら辞めちまえ!」って怒ったときがあって。普段の秦くんはそんな人じゃないですけど、厳しく言ってくれて、これは優しさだなと思いました。言われたときは腹が立ちましたが、頑張ろうと思いましたし、それもすごく感謝してます。
――ブレイクを経て「一発屋」と呼ばれ、現在は「再ブレイク」と呼ばれるジョイマンさんですが、今後の目標は何でしょうか。
目標は「続ける」というだけですね。今後も芸人が増えて、いろんなネタが生まれていくでしょうが、僕らは変わらずにいると思います。同じネタを提供し続ける方が楽しいので、今後も同じネタをやり続ける存在でいたいですね。
文=こじへい